まるもり 第4章旅立ち-第11話- 「何だとぉっ、おい」
もう一回言ってみろ。
怒鳴り声は、まるで自分が言われているかのように、近くで響く。
「ガキみたいなこと、言ってんじゃないよ、あんた」
最後は、力いっぱい大きなため息をつく。
この声で、何人が鼓動を早くさせただろう。
下の階では、赤ちゃんが泣き始めた。
「うるさーい。まったく、ガキがガキ作りやがって」
その言葉に反応したのか、下で、バタンと大きな音がした。
ドアを閉めたのだろう。そして直後に、
「うぜぇんだよ、ばばぁ。早くあの世に行けよ」
少しかすれてハスキーな女の子の声が聞こえた。
キィィィ。
玄関で音がする。
メグルは這って、部屋から玄関を覗く。真樹子の布団のお陰で、メグルは何の音も立てずに移動できた。
玄関では、真樹子がそっと、少しずつドアを閉めていた。
メグルのほうにお尻を向けている。緊張しているのか、足が震えているように見える。
自分の家に入るのに、あれほど気を遣うこともないだろうに。
メグルは、肩肘をついたまま、真樹子の布団の上に横になり、その様子をジッと眺めていた。
そして、あと数センチでドアを閉められるだろうというところで、真樹子は動かなくなった。
大家の大きな手が、ドアの間に現れたのだ。
自分は何もしていないのに、桃子は咄嗟に布団から飛び起きた。
ドアは開かれた。
真樹子は、慌てて靴のまま部屋に駆け込んできた。
玄関に仁王立ちになったのは、大家だ。
その向こう側の空は、もうすぐ夕昏るのか、雲が薄いピンク色に染まっていて、メグルはその美しさに見とれていた。
大家の向こう側に、金色の髪を、ぐしゃぐしゃにかきむしった頭をした少女を見つけるまでは。
そして、その少女を見た瞬間、メグルは絶叫する。
一瞬しか見なかったその少女を、メグルは、何かの動物と勘違いしたのだった。
メグルは倒れ、真樹子は大家から身を隠し。
四本家の別棟は、またまた大騒ぎとなるのであった。
まるもり 第4章旅立ち 第12話へ続く
テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学
2008/09/08(月) 12:00:10|
笑@会社
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| コメント:4
今日から遅い夏休み休暇取ってるよ!!小説読んだ。
ダメダメ母子の今後が楽しみだ!
昨日連絡しようとしたら携帯つながらなかった。体調はどう?
- 2008/09/10(水) 10:36:40 |
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- マサ #-
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すごい人が現れたね(*^^*)大家だけでも怖いのに、金髪さんも
怖そうだよ!?ユミちゃんの小説はテンポよくて
ササッと読めるから好き♪
- 2008/09/10(水) 11:58:44 |
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- ビックママ #-
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あの日は調子悪くて携帯の電源切っててごめんね><
小説読んでくれてありがとう♪もう夏休み終わったよね。
お仕事の合間に、また読んでもらえると嬉しいな^^
- 2008/09/16(火) 16:49:58 |
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- ユミ #-
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金髪さん新たな風を送ってくれる人になるか?!
大家さんは相変わらず怖いけど、今後何かと絡みまくりなの♪
いつもコメントありがとう☆
小説、少しずつまた書こうかと思ってるよ^^
- 2008/09/16(火) 16:58:29 |
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- ユミ #-
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