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No 769
Date 2008・06・20・Fri
まるもり 第2章どん底-第8話-まるもり 第2章どん底-第8話-
柏木が、何故突然別れを切り出したのか。そんなことは、メグルにはどうでもいいことだった。 ただ、遊ぶ仲間が一人減るだけ。その減った分は、もし寂しければ増やせばいいだけだ。悲しむこともない。 メグルは、携帯電話を放り投げて、再び天を仰いだ。 天井の染み。それより気になる、低い唸り声が聞こえ始めた。 「怖いなぁ」 そっと起き上がる。 目の前には、まだうつぶせに転がったままの真樹子が一人。 伸ばした右手は、助けを求めているように見える。 その手の指が、微かに動いている。 「真樹子さん?」 メグルは、静かに這って真樹子に近づいた。 「生きてる?」 そう聞くことが、もう間違っている気がするが、メグルは、一定の距離を保って真樹子を見つめている。 唸り声は、地を這うように聞こえてくる。 それが、寝息と分かるまで、メグルは真樹子を遠巻きに見つめていた。 だから。 というわけでは、決してない。 メグルは、翌日寝坊をして、会社に二十分ほど遅刻した。 時間には、それほどルーズではない。それどころか、例えば待ち合わせなど、時間の十分前には着いていないと気が済まないほうだ。 必死に会社へ向かっていた。 言い訳など考える暇もなく、どのルートを通ったら一番早く会社へ到着できるかを考えていた。 だいたい、前の晩に、真樹子の寝息にうなされ、朝起きたときには、自宅から追放されたことをすっかり忘れて、アパートの部屋にいちいち驚き、バッグから着替えを取り出し……それから、それから。 一人大慌てで、出てきたのだ。 真樹子はまだ昨晩と同じ場所に突っ伏していたが、何か声をかける暇もなかった。 水道が出ないので、顔も洗えず、歯も磨けなかった。 駅まで走っていく間に、緑豊かな大きな公園があった。 汚くて、いつものメグルなら、近寄ることすらしなかった公衆トイレに駆け込む。 タイルに描かれた意味不明な落書き。誰かの携帯電話の番号。誰かに対するメッセージ。 「怖い」「汚い」と思う間もなく、メグルは自分の体を清めるかのように、手洗い場の水を出し続けた。 本当なら、頭も洗いたいところだが、やめておいた。 会社に行くまでに、乾くはずがないからだ。 それに、車通勤ならまだしも、電車で行かなければならない。 車中の好奇心の目が向けられるのは、我慢ができなかった。 幾分さっぱりとしたときには、時計の針は思ったよりも進んでいた。 実は、真樹夫が探してきたアパートは、自宅の最寄り駅と三駅離れているだけのところだ。しかも、アパートからの最寄り駅は、自宅の最寄り駅より会社寄りの位置にある。 それでも、もう間に合わないのは目に見えていた。 「間に合わないくらいなら、さぼっちゃおっかなぁ」 果てしなく広がる青空を見上げると、自分がどこへでも行けそうな気になっていた。 まるもり 第2章どん底 第9話へ続く |
この記事のコメントNo.2197 初めまして!
ランキングから来ました♪
小説、読ませていただきました! メグルはドライというか、現代に生きる女性って感じがします☆ プロの方にいうのも本当に失礼だと思いますが、すごく読みやすくて、どんどん読めちゃいますね♪ また遊びに来ます・・・というか、ブロとも申請しても良いですか?(>▽<) No.2198 >遥香さん
こんにちは☆
ランキングから来てくださったんですね♪ ありがとうございます^^ わたし、本は出版しているけど、1冊だけだし、今もまだまだ 次の出版とか機会がないのです><プロじゃないから、 お気軽に感想言っていただけるとうれしいですよ〜! ブロとも、もちろんOKです。 わたしも後ほど遥香さんのブログに遊びに行きますね〜。 No.2199 やほ!
メグルちゃん、これから精神的に鍛えられそうね☆
真樹子さんもなんとか無事みたいでよかった〜! わたしもちょっぴり真樹子さんファン♪ もしかしていま小瀬かな? うちは今から歩いて行きまーす。 No.2200 わ〜い♪
遊びに来てくださってありがとうございます☆
じゃあお言葉に甘えてブロとも申請しちゃいます(*^▽^*) No.2201 >遥香さん
ブロとも申請ありがとう(*^^*)
嬉しいコメントも、ありがとう〜♪ わたしもまた遊びに行きますね☆ No.2202 >ビックママさん
昨日は雨の中お疲れさん♪
勝って良かったよね〜〜☆ メグル、分かる?だんだん鍛えられそうだよね^^; そっか〜、メグルより真樹子さんファンなんだ?! 真樹子さん良いキャラだもんね。 |
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