樹里はいったい何者?
桃子に優しくしてくれる彼女ですが、何かあやしい雰囲気を感じます。
桃子は、例の変換事件のことを考えてばかり。仕事にも集中しないと!
秘書、クビなんてならないように…。
第28話エレベーターに乗り込んだはいいけれど、桃子は悩んでいた。
階のボタンも押さずにいたので、エレベーターは静かに動くときを待っ
ている。
このまま秘書室の階まで上がっていくのは躊躇われた。
樹里以外には誰もいない秘書室。エレベーターと秘書室は距離があるけ
れど、静かなオフィスでは、エレベーターが到着すれば、ガタンと音が
して気付かれてしまう。
一つ下の階で降りて、階段でのぼってみるか。
いやいや、ダメだ。階段をのぼるのはいいけれど、結局は扉を開けなけ
れば、秘書室につながる廊下にさえ出ることはできない。
防火扉のように重い、階段と廊下をつなぐ扉は、エレベーター以上に派
手な音をたてるかもしれなかった。
桃子は、誰もいないエレベーターの中で腕を胸の前で組み、唸っていた。
そして、またしてもそんな自分に酔いしれていた。
ふふっ。
一人でに笑えてくる。
こんな風に冷静に物事を考える自分を格好いいと思ってしまっていた。
それでも、これという良い結論は出なかった。
行くか。
桃子は、一つ下の階で降りて、階段であがっていくことに決めた。
秘書室の一つ下の階は、IT戦略室なる部署がある。
時々エレベーターで一緒になるこの階で働く人たちは、ほとんどが眼鏡
をかけている。
こんな人たちを、以前の桃子は、「オタク」と呼んでいた。
でも、自分が時々でもパソコンに向かって事務処理をしていると、そう
でもないという気がしてきていた。
一日中パソコンの前に座り、細かい字を見ているのだから、目も悪くな
るだろう。
エレベーターを降りて、少し部屋を覗いてみた。
夜も十時を回っているというのに、デスクにはずらっと人が座っていた。
血走った目は、全てパソコンに注がれている。
「ひぃ」
桃子は、一歩後ずさりする。
ドア側に顔を向けて座っている者もたくさんいるのに、誰一人として桃
子の存在を気にしていないようだ。
静かにそっとドアを離れて、階段へ続く扉を開ける。
うー。と低く唸るような音を立てる。
静かな階段の踊り場に、その音は響き渡った。
一つ歩を進めると、ヒールがカツンと音を立て、吹き抜けになった階段
の上下にこだまする。
中で仕事をしている人が気付くはずもないけれど、桃子はハイヒールの
靴を脱いで、両手に持った。秘書室の階にたどり着いて、靴を履く。
扉にそっと手をかけて、ゆっくりとドアを押した。
確実に音がしないように、ゆっくりと。
そして、一歩踏み出したとき、桃子は足を滑らせた。
ドアの音だけに気を取られていたからだった。
カツーン。高いその音は、廊下の隅々まで響き渡り、桃子自身に跳ね返
ってくる勢いだった。
桃子は、猛烈に秘書室へ走った。
ひそひそと近付くのは、もう無理だった。
階段と廊下をつなぐ扉が、何かが爆発したかのような音を立てて閉まった。
部屋の中に入る。
そこには、樹里ともう一人、意外な人物がいた。
二人は、目を丸くして桃子を見つめている。
桃子は、樹里以外の人物に気を取られながらも、自分のパソコンに目を
やった。
ついていない。
樹里ではなかったということか。
そして、もう一度ここにいるはずのない人物を見つめた。
どうして阿東がここにいるんだ?
-第29話へ続く-
2007/07/19(木) 12:00:33|
笑@会社
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| コメント:5
ドキドキです!
夜の非常階段…それだけでも怖いのに!
エレベーターで考え込む自分に酔う

ぷぷ〜可愛い!勇気と行動力にかっこいい!と思わせて、こんな可愛いところも見せる!ホント、ユミさんのキャラクターってかわいい!
しかし、樹里!なぜに阿藤さんと?
気になります!
- 2007/07/20(金) 12:39:15 |
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- らんらら #-
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あっ!やっぱり阿東さん、藤じゃなかった!ごめんなさい〜(>_<)
- 2007/07/20(金) 12:40:56 |
- URL |
- らんらら #-
- [ 編集]
いいのいいの〜。気にしないで下さい♪
阿東は影の存在なので!!間違えても、作者さえ気付かないほど
ですから^^;ただ、桃子の名前を間違えたら、間違いなく、らんららさん
のところまで何かしに行きそうなので、ご注意を(笑)
キャラ、かわいいですか〜☆そんなこと言ってもらえると、嬉しいです。
桃子も、顔真っ赤にして喜んでますよ♪言葉は悪いけど…。
だいぶ新しい職場に慣れてきたので、また定期更新を心がけようかとー。
あと、らんららさんや楓さんに触発されたかな…。
皆さん、すごい頑張ってるから^^
- 2007/07/21(土) 00:15:09 |
- URL |
- ユミ #-
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あはは^^
何を書こうとしてくれていたんですか〜?
それを書かなかったほど、衝撃を受けてくださったなら、なんとなく
嬉しいような♪かなり意外な展開に、勝手にしてしまいました(笑)
桃吉(←いいですね〜)、オロオロです。
もう、なにがなにやら。
助けてください。わたしのことを!!
- 2007/07/21(土) 00:20:20 |
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- ユミ #-
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