笑@会社

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女園秘書室-第12話-


桃子には珍しく、落ち込んでいますが、
会社へ行けば、もっとたくさんの難関があるはず…。
秘書室で一緒に働く女性たちも次々と登場してきます。
どんな人と働くのだろう…。うまくやっていけるだろうか…。
そんな悩みより、いまはパソコンの悩みが優先的です。
桃子、しっかり!!
桃子秘書いよいよ出陣です。


第12話

社長室へ入った。
小学校の時悪さをして、校長室に呼び出された時の記憶が蘇った。
桃子はそれほど萎縮していた。
それでも、部屋がシンプルで、高価そうなものが何も置かれていないの
が唯一の救いだった。
阿東は、秘書室へ戻り、有砂はお茶を淹れに行った。
部屋には桃子と社長の二人だけだ。
「さて、花木さん」
名前を呼ばれて、桃子は、直立不動の姿勢で社長と向き合った。
「今日の会議の資料を、きみのパソコンに送ってあるんだけど、その資
料の会議開始時間を、九時二十四分に訂正しておいてくれ」
「はい」
勢いよく返事をしたものの、桃子の心臓は猛スピードで爆音を立てている。
「パソコンに資料を送った」とは、多分メールを使ったのだろう。メー
ルなら、携帯電話でもやり取りをしているし分かるだろう。
社長室を飛び出すと、お茶を淹れた有砂が静かに立っていた。

「頑張ってくださいね」
有砂は、秘書室へ向かう桃子の背中に向かって言った。
振り返ると、意味ありげに笑っている。不気味だ。
桃子は逃げるように、秘書室へ駆け出した。

パソコンを開く。だいたい、桃子のパソコンと同じ画面が立ち上がった。
さて、一体メールはどこを見ればいいのだろう。
画面の左端に、小さな絵がいくつも並んでいる。その下には言葉が書い
てあるが、正直、「ごみ箱」しか分からない。
それ以外のものを、全部開けてみることにしよう。
昨日のうちに、ウインドウの消し方が分かっていて良かったと胸をなで
おろす。
この部屋で、パソコンの画面を指で押さえていたら、それこそ笑いもの
になってしまうところだった。
ごみ箱の下には、Internet Explorerと書いてあり青で英語のeの絵が描
かれている。
「インテーネット」
おぉ、口に出さなくて良かった。「インテー」じゃなく、「インター」
で、「インターネット」だ。
これもメールではない。

次に、桃子でも名前だけは知っているwordやexcelがあるが、いちいち一
度心の中でつぶやくのを忘れない。
「ワード」は、「ウォード」。「エクセル」は、「イクセエル」と読ん
でいた。英語で書かれている文字に関しては、一度目は、口に出さない
ほうが懸命だ。間違えている可能性が大きい。
これもメールとは関係ない。桃子は、一つずつ丁寧に右上のバツ印を、
マウスでクリックしていく。

「Outlook Express」
excelの次にあった絵をクリックすると、受信トレイと書いてあるウイン
ドウが開いた。
そして、何も触っていないのに、受信トレイというところが動く。
隣の席の樹里が、パソコンを覗き込み、
「あぁあぁ、すごいメールの数。昨日から使えるようにしておいたか
ら、社長や阿東室長が、あなた宛にもメールを送ったのね」
ため息をつきながら、ニヤッと笑った。それが何を意味しているのか分
からなかったけれど、桃子は、彼女に感謝した。

福井さん、ありがとう!

彼女のお陰で、これがメールのソフトだということが分かったのだ。
「秘書室でパソコン関係のことだったらわたしに聞いてくれればいいか
ら。それでね」
彼女は、続ける。
「メールは一分ごとに送受信するようにしておいたから」
一分ごとに送受信?なんのことか分からなかったが、今はとりあえず、
社長から来ているはずの会議資料が添付されたメールを探すのが優先だ
った。

受信トレイに次々とメールが送られてくる。
送信者の名前を追う。
「戸波京介」が社長の名前だ。
送信者の名前は、全てローマ字だった。
これは、探すのに一苦労だ。普段、日本語しか見慣れていない桃子にと
っては、迷惑な話だ。ローマ字は読めないわけではないのだけれど、日
本語より、少し時間がかかる。
「会議資料」
ようやく、そのタイトルのメールを発見したとき、すでに時間は、会議
の十分前。
秘書室の面々が、いっせいに動き出した。
「花木さん、行かなきゃ」
樹里に声をかけられる。
「いや、会議資料の時間を訂正しないと」
ようやく、メールを開いたところで、樹里が桃子のパソコンのキーボー
ドに手を乗せた。
メールからファイルを開き、パチパチっと時間を訂正する。
まるで魔法でも見ているかのようだった。
次の瞬間には、プリンターから一枚の紙が出てきて、樹里は、自分の前
の席に座っている女性に紙を手渡す。
「二十部コピー」
手渡された女性は、すぐさまコピー機に向かった。

-第13話へ続く-

テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

    2007/05/01(火) 12:10:16| 笑@会社 | トラックバック:0
  1. | コメント:4
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コメント

ふわぁ〜@@;

すんごく、ヒヤヒヤしましたよぅ!!!><
こここ、これってあなた、出来ないんじゃ??って(笑)
でも時間は差し迫ってるし、あぁ〜!そんなにちまちましてたら、時間が!時間がぁ〜〜><
と、思っていたら、思わぬ手助けが!^^
樹里さん、いい人ですね!
良かった、何とか間に合いそうで☆

それにしても・・・ふぅ、これは桃子、この先大丈夫か!?
私は心配で心配で・・・うぅ><
大体、社長はもちろん、他の人達も、分刻みで物事を言ってくる、行動するのが恐ろしく怖いです@@;
気が休まりませんね〜;;

で、樹里は結局桃子の味方になってくれるのかな?^^
PCとか教えてやって欲しいですね〜(笑)
  1. 2007/05/01(火) 21:09:32 |
  2. URL |
  3. chacha #-
  4. [ 編集]

>chachaさん

有砂が、ああいう女性なだけに、樹里には桃子の味方に是非なって欲しいところです。
いろいろ教えてくれそうですよね!!最初は、ちょっと冷たい人という感じでしたが…。
いやいや、気を許してはいけない??まだまだナゾです(笑)
とりあえず、桃子は自分でいろんなことを学ばなければいけないでしょうね^^

彼女達、秘書は、とっても時間に正確です。全てが時間に支配されてるんです。
わたしもこんな状況なら、奇声をあげてしまうかも〜〜!!
ホント、気が休まらない雰囲気ですよー。

これからも桃子の応援お願いします♪

いつもコメントありがとですv(^^)v

  1. 2007/05/01(火) 22:35:28 |
  2. URL |
  3. ユミ #-
  4. [ 編集]

む・・・

無理だぁぁぁーーーーーっ!!!
こんな調子では、絶対にどこかで近い将来
へまをやらかすぞーーーっ!!!
ぐだーーーっ
な楓です。笑
GW休暇から復帰しました。
やっぱPC無い生活は3日が限界です。
胃が痛いです。
して、そうそう大ピンチ連発の予感が・・・笑
樹里さん・・・
いい人なのか?どうなのか・・・?
気になりますね。
PC強い人は是非味方に引き入れるべしっ!!なのですが・・・
にしてもやっぱ有砂さんのにや顔が怖いぃっ!!
  1. 2007/05/08(火) 16:56:01 |
  2. URL |
  3. 楓 #u2lyCPR2
  4. [ 編集]

>楓さん

お帰りなさ〜い!!
分かりますよ〜、PCのない生活がどれだけ辛いか…。
わたしも3日もつかな〜〜。明後日からしばらくPCのない生活に
入るので、心配しているところです^^;

樹里はいろいろと教えてくれるのですが、いい人にも、意地悪な人にも
どちらにも転びそうですね〜。
味方になってくれるといいのですが♪

えぇ、もう有砂は、怖いですよ〜。
いつも笑顔の人の本心は、かなり怖いですから…。

あぁ、それにしても、怒涛のコメラッシュ、ありがとうございます(*^^*)
嬉しいです〜♪
  1. 2007/05/08(火) 20:56:22 |
  2. URL |
  3. ユミ #-
  4. [ 編集]

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