笑@会社

日々面白いことを求めて爆走中!!

ニック・バトル-第17話-

主人公、柚木朝子、29歳。
「給料もそれなり、彼氏もいるし、なんの不服もない生活」
をかき乱すライバル若月さんの出現で、ため息増量中。
「何とかしなきゃ」が空回りしそうな予感!!
どうする、わたし?
どうなる、わたし?


第17話

お茶台から戻ってきて、若月さんは、部長の席へ歩いていく。
コーヒーを静かにデスクの片隅に置いて、
「わたし、お茶汲みをするために会社に来ているわけじゃない
ですから」
と、周囲に聞こえるような声で言い放った。

刺々しい口調。
辺りいったいの空気が、一瞬で凍ったかのようだった。
触れたらすぐに割れてしまう薄い氷の中に閉ざされていて、
それを割らないように、誰もが息をひそめている。
そんな雰囲気に包まれた。

周囲の気配を察して、さすがに気が引けたのか、
「自分でできることは、自分でしたほうがいいと思うんです。
わたし」
と、究極の笑顔を振りまいた。

隣に座る経理部の部長が、俯いている。
肩を震わせているのは、きっと笑っているからだ。
彼は、1年前までアメリカの子会社で働いていて、考え方とし
ては、若月さんに近い感覚なのだろう。
掃除も、お茶いれも自分でするし、時には、部下にもコーヒー
をいれていることもある。

「そんなものは女の子にやらせればいいんだよ〜」
と言って、ふんぞり返っているうちの部長とは大違いだ。
「やっぱりね、部長ってのは、威厳がないと」
威厳があるというのなら、せめて英語くらいきちんと使えるよ
うになって欲しいものだ。

「若月さん、僕は、コーヒーいれられないんだよ」
部長は、顔を真っ赤にしている。
本当のところは、怒りたいだろうが、我慢している様子だ。
例えば、わたしや荒木さんが同じことを言ったら、わめき散ら
すことだろう。

近くに座る者は、もう仕事どころではない。
2人のやり取りを、興味津々に見つめている。
「じゃ、飲まなきゃいいんじゃないですか?」
若月さんの言葉に、周囲が息を呑む。
それは、いくらなんでも言いすぎだ。
部長にも、部長としての、そして、男としての面子がある。

小さなどよめきの中、若月さんは、何事もなかったかのように、
席に着いた。
わたしは、隣に座っているだけなのに、何故か視線が痛くて、
パソコンに身を隠すようにした。

「湯河原、あんた、これでも好き?」
隣のしまで、こちら向きに座っている湯河原を覗き見た。
両肘をデスクについて、さぞ良い夢でも見ているかのように薄っ
すらと笑っている。
質問しなくても、答えは明らか。
あぁ……幸せなヤツ。

わたしもね、自分に害がなければいいの。
いくらだってコトが起きてくれても。
部長に食らいつくなんて、絶妙じゃん。
このときのわたしの顔、湯河原と同じように、にやついていた
だろうか。

-第18話へ続く-


    2006/11/29(水) 06:00:13| 笑@会社 | トラックバック:0
  1. | コメント:2
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コメント

おお!

嵐を巻き起こす女、若月さん(>_<)
うは〜どうなる!?
気になる!続き待ってます。
  1. 2006/11/29(水) 20:28:54 |
  2. URL |
  3. らんらら #-
  4. [ 編集]

頑張ります♪

>らんららさん
いつもホントにありがとう☆
わたし、全然訪問できてなくてごめんなさい!!
その代わり、訪問したら一気読みしますね♪♪
ニックは4日おきの更新を目標にしてます。
  1. 2006/11/29(水) 20:46:20 |
  2. URL |
  3. ユミ #-
  4. [ 編集]

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