笑@会社

日々面白いことを求めて爆走中!!

第六十五話

シンガポールから帰国してきた翌日、オフィスに到着
したわたしは、一瞬部屋を間違えたかと思って、慌てて
外へ飛び出した。
レジャーボケしていて、頭が働いていないのかもしれない。
幻想を見たのか。意識が朦朧としているのか。それとも
白昼夢を見ているのかもしれない。
「ご、ごめんなさい。すみません」
ドアを閉めて、エレベーターホールへ戻る。
そして、振り返った。
ドアに掲げられた社名は、確かにわたしの勤める会社の
ものだ。
あれは、誰なんだ。金髪の人が、普通に座っていた。
うちの会社に、髪の毛を染めている人はいない。
顔を見たわけではないけれど、見たことのない人だったと思う。
わたしたちがシンガポールへ行っている間に、誰かが住み
着いてしまったのだろうか。

わたしは、おそるおそるもう一度扉を開けてみた。
片目で見える程度に、ドアを開いて、よく観察してみる。
マンキチの席だ。
ん?姿かたちは、よく見るとマンキチのようだ。
わたしはすぐ逃げれる体制をとって、
「マンキチさん?」
と呼んでみた。
すると、振り返ったのは、紛れもなくマンキチではないか。
頭は金髪。半そでのワイシャツに、なぜか半ズボン。
もはや仕事をする格好ではない。
二度目の海外旅行で、すっかり舞い上がってしまったのか。
はたまた、まだ旅行気分が抜けきらないのだろうか。
このオフィス街にはふさわしくなく、今すぐにでも、
このままバカンスに突入しそうないでたちだ。
「な、なんですか?その頭」
わたしは、まだ社内に入れないでいた。
何かとてつもなく恐ろしいものを見たように、腰は引けて
いたと思う。


テーマ:自作小説 - ジャンル:小説・文学

    2006/03/31(金) 05:38:15| 笑@会社 | トラックバック:0
  1. | コメント:0
<<第六十六話 | ホーム | 身体のコト>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://lillachan.blog47.fc2.com/tb.php/119-18a9aa36
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)