かくて皆の行く先は?
明るい旅立ちです。春ですから。
暖かい日差しに包まれて、良いことがあるように、願いましょう☆
本日最終話を迎えることができました。
これまで読んでくださった皆様、どうもありがとうございました♪
第150(最終)話季節はすっかり秋の真っ只中に入っていた。
夏の終わりの、珍事件。
それに関わった人に、暗い影を落とすことなく、事態は収まった。
阿東は、社長になるべく、現社長の後をついてまわり、修行中だ。
真面目そうな顔をして、女に金を与え、自分の味方につけ、情報を得る。
それで、いったい何人の女が泣いただろうか。
ぜひ、心の中で反省し、罪を償って欲しいものである。
小夜子が会社の金を横領していたことは、現社長の計らいもあって表ざたになることはなかった。
そして、社長はその金を返さなくていいとも言った。
桃子なら、両手を挙げて万歳しそうな出来事だ。
小夜子は、金を返すといってきかなかった。経理部に合った細かい性格だと思う。きっちりしている
のだ。
一ヶ月いくらになるか、桃子には知る由もないけれど、少しずつ返していくのだという。
その件については、阿東も関わっていたことなので、彼も何らかの協力をすると言っていた。
阿東の妻は、社長に謝罪をし、家政婦を辞めようとした。
もう一人の家政婦である清香も同じように辞めたいと申し出てきていた。
しかし、社長は、二人を引きとめた。
すべては自分がまいた種。
社長はそう思い込んでいて、自分以外は誰も悪くないのだと言って聞かなかった。
そして、たびたび体調を崩すようになり、自宅にいることが多くなっていった。
阿東の妻と清香は、社長への恩返しとして、休むことなく世話をした。
もう一人の副社長の秘書だった沢渡渚。
彼女は、実際に何があったわけではないけれど、有砂の存在に怯えていた。
いつも有砂の言いなりに動いてきて、疲れ果てていたようだった。
有砂が消えてからも、彼女の精神的な疲れは癒されず、樹里より先に会社を辞めた。
そして、母が営む会社裏の喫茶店で、のんびりと働いている。
桃子と樹里、未来の三人は、そこを昼休みのたまり場にしている。
樹里が会社を去る日は、真っ青な空が頭上に広がっていた。
十一月の終わり。ひんやりとした空気が、頬を刺す。
泣くものか。
一生会えなくなるわけではないのだ。
秘書室のメンバーともだいぶ打ち解けた。
今では、桃子は、姉貴分のような存在になっていて、年下の先輩からの相談に乗ったりしている。
その代わり、苦手なパソコン作業や外国語について、彼女たちから学ぶ。
マナーやしきたりも、だいぶ理解するようになってきて、社長に褒められたりもする。
「心配です」
樹里は、目に涙を浮かべながら、桃子に言った。
上半身が隠れてしまいそうになるくらいの大きな花束を手に、彼女は秘書室を後にした。
どんなに好きな相手でも、いつか別れはやってくる。
そのときに、その相手のことをどう思うか。
相手は自分のことをどう思うか。
次はいつ会えるのか。
もう二度と会えないのか。
後姿を眺めるとき、多々思う。
涙が出てこない別れをしよう。
別にそれほど強くはないけれど、希望がある別れをしよう。
桃子は、樹里の背中をいつまでも見送った。
ここから旅立ち、新たな道を進む彼女に、エールを送り続ける。
-THE END-
テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学
2008/03/30(日) 08:00:00|
笑@会社
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