まだ見ぬわが子に、強い愛情を示している樹里。
その子供に危機が?!
想像できなかった展開に、桃子も亜樹もどうすることもできません。
桃子は樹里を救えるのか?第89話です♪
第89話翌朝、悲痛なうめき声で目が覚めた。
一瞬夢だったかと思う。目覚めは悪く、桃子は目を閉じたまま、何度もあくびを繰り返した。
手足を何度か、限界まで伸ばしてみて、ようやく頭の回線がつながってくる。
そして、目を開けてみると、そこには想像がつかないような光景が広がっていた。
樹里がベッドの上で、苦しみにもだえていた。
腰をかがめて丸まり、天井に背を向けうずくまっている。
「桃子さん」
亜樹が呼ぶ。
現実に起こったことだと思えずに、桃子は一歩出遅れて椅子から立ち上がった。
白いシーツは血で染まっていた。
何が起こったのだ。
自殺?
いや、ありえない。
子供を産もうと決意している女が、一晩のうちに自ら死を選ぶとは思えなかった。
「桃子さん、ご主人様に電話してください」
「だめです」
亜樹と樹里の想いが交錯する。
樹里は、父親にお腹の中の子供の存在を隠したいのだろう。
そこで、ふと気付いた。
この痛みよう。この出血。
「おい、もしかして」
亜樹はうなづいた。
迷っている暇はなかった。
桃子は、救急車を呼んだ。亜樹が運転して、樹里の父親の病院に運ぶことも出来たが、救急車の
方が断然早いと思ったのだ。
遠くからサイレンが聞こえてきて、桃子は家の前へ飛び出した。
すぐそこまで来ている赤色燈の明かりが近づくのは、待っている人間にとってはスローモーション
のように見えて、もどかしかった。
大きく手を振ると、やがて救急車はサイレンを止めて家の前までやってきた。
桃子は、状況を説明しながら、救急隊員を家の中に案内する。
倒れている女性のこと。
その女性のお腹に宿っているだろう命のこと。
そして、彼女がなにかをしたわけではないだろうこと。
彼女が優秀でいい人だということ。
病状とは関係ないことまで、桃子は一生懸命に救急隊員に話す。
手で制止するように求められても、男の腕にしがみついて話さなかった。
やがて樹里は、救急車に運ばれた。
受け入れてくれる病院は、樹里の父が働く病院ではなかった。
それだけでも樹里はホッとしていることだろう。
なにより、安静に、そして安心できるようにしておきたかった。
「腹痛と大量出血」
そして、樹里と一緒に救急車に乗り込んだ桃子が耳にした言葉は、「進行流産」という言葉だった。
それは、当然、樹里の耳にも入っただろう。
心臓が止まるような感覚に襲われた。
よく耳にする流産と、進行流産というものがどのように違うのか、桃子には分からなかった。
ただ、いままさに、生命が一つ絶たれようとしているということだけは感じていた。
樹里は、その処置が終わったあとも、長い間ベッドに横たわっていた。
精神的に被ったダメージは、他人からは計り知れないものだろう。
桃子も亜樹も、ただ病室の片隅で樹里を眺めているだけだった。
それ以外に、できることが何一つなかったのだ。
樹里は目を大きく見開いたまま、長いこと天井の一点を見つめていた。
怒りも、悲しみも、悔しさも、何の感情もそこから読み取ることはできなかった。
静まり返る病室。
ドアも窓もきっちりと閉まっているのに、外の騒々しい音が、どこからともなく入ってくる。
救急車のけたたましいサイレンの音。
看護士たちがせわしなく動き回るスリッパの音。
誰かの話し声。
朝のすがすがしい鳥のさえずり。
その中に一つ、赤ちゃんの鳴き声が混じった。
樹里は咄嗟に耳をふさぐ仕草を見せた。見開かれた目からは、大粒の涙がこぼれ落ちていた。
-第90話へ続く-
テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学
2007/11/18(日) 08:00:00|
笑@会社
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昨日のオシム監督脳梗塞ニュースに、心配で心配で眠れなかったわたし。
なぜ、そこまで?いや、なんか好きなんですよ、オシム監督が。
うちの父が似ていて、親しみも沸くというか…。
代表監督に戻らなくてもいいから、まずは良くなって欲しいものです。
そして、別の次元の話ですが、心配なのが、地元ヴァンフォーレ甲府がJ1に残留できるか
ということ。
明日はいよいよ大宮戦です。
もはや、なんにでもすがりたい気分。
今日の新聞に、「オレンジ色のものを食べる(大宮のカラーがオレンジ色だから?!)」なんて
記事が載っていたので、今日作ったケーキは、みかんケーキ

→

ヨーグルトや果汁も入って、あっさりジューシー系。


見た目悪っですが、さっぱりしていてついつい手が伸び…ん?こんな深夜に…?
寝ます!!明日の応援のために☆
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2007/11/18(日) 00:41:34|
笑@会社
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