笑@会社

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女園秘書室-第44話-



樹里と有砂の関係がとうとう明らかに!
桃子は、有砂の悪口を言わず正解でした♪♪
もっといろんなことを探りましょう!
ね、そしたら、具合の悪いのなんてどっかいっちゃいますから★
桃子、樹里宅で引き続き緊張の第44話!!



第44話

桃子は、一番いい匂いが漂ってくる野菜スープを口に入れた。
普段大味で、繊細な違いなど分からない桃子は、美味しいものは美味しい。
まずいものはまずいと大雑把な感想しか持たない。
これが入ってるから美味しいとか、これを足したらいいのではないかど
という細かなことはどうでも良かった。
そして、このスープは、今まで口にしたものの中でもかなり美味しく、
特別に美味しいという部類に分類された。
「うまい」
思わず、秘書室口調から普段の口調に戻り、桃子は樹里に笑顔を向けた。
「桃子さんってば」
樹里は、嫌な顔をせず、無邪気に笑う。
秘書室では見せない顔だった。
そういう顔のほうがいいのに。
今の樹里なら、桃子の話も素直に聞いてくれそうだったが、桃子は、思った
だけにとどめておいた。

具合が悪いわけではないのに、樹里は桃子と同じものを食べていた。
「すみません。福井さんまでおかゆになってしまって」
桃子が小さく頭をさげる。
「いいんですよ。わたしおかゆ好きですし。ダイエットにもなりますもの」
樹里は、ゆっくりとスプーンを口に運ぶ。
「そうそう、福井さんっていうのやめません?わたしのほうが年下ですし、
できれば樹里さんと。秘書室の仲間も皆さんそう呼んでいますから」
年下か。見た目で分かってはいた。秘書室で桃子より年上なのは片手で
数えるくらいだろう。
「どうですか、秘書室は?」
どう?そんな風に曖昧な質問では、何と答えたら良いのか分からない。
「例えば、阿東室長や有砂さん」
樹里の目が、キラキラと輝いたように見える。
昨夜の光景が、よみがえる。
あんなことがあって、何と言っていいのやら迷う。
「有砂さんは、厳しいですか?」
樹里が、そのことに気づいたのか、話は有砂のほうだけに変わっていた。
厳しいさ。
本心は、それに限る。但し、それを言ってはいけないだろう。有砂と樹里。
いつも珈琲を淹れてくれる二人。仲が良いのかどうかは、分からないけれど、
桃子とよりはよほど通じている。
「素敵な方だと思います」
桃子が言うと、樹里は笑いをこらえ切れないかのように、わざとらしい
咳払いをひとつした。
「そうですか。ふふ」
桃子の口から「素敵な方」などという言葉が出たから笑っているのか、
それとも、何か変なことを言ってしまったのだろうか。
「有砂さんとわたしは、同期なんです。あ、今日会ったと思いますが、
社用車管理部の奈々さんも」
同期。桃子は、三人が並んでいるところを想像した。
一ミリの隙もなく、作られたような輝く笑顔を振りまく三人。
似たもの同士が集まったものだ。
今度は、桃子が笑い出しそうになった。
「有砂さんとは、大学も一緒だったんですよ」
へぇ。
むかしから仲が良かったと言うわけだ。
桃子は、有砂の悪口を樹里の前で披露しなくて良かったと胸を撫で下ろした。
ここで発した言葉は、有砂には筒抜けになると思ったほうがいいだろう。
「素敵な方」
無難な答えだった。

その後、有砂がどれだけ人望があり、仕事ができるかを樹里は誇大過ぎる
ほど大げさに語り始めた。
それは、褒めているようであり、あざけるようでもあった。
何か裏がありそうだった。
それは、桃子のカンでしかないけれど。
そして、ただの予感だけで終わってくれればいいのだけれど。

-第45話へ続く-

テーマ:自作連載小説 - ジャンル:小説・文学

    2007/08/20(月) 20:08:23| 笑@会社 | トラックバック:0
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