笑@会社

日々面白いことを求めて爆走中!!
No  524

ノルマ

前日の雨
曇り空

釣り日和

ここ数年恒例になっているTくんとの渓流釣り
今年は初めてです。
場所は、山梨県北杜市白州町の尾白川渓谷。

行く途中で、Tくんが、
「俺は今日一匹も釣れない予感がする」
と…。え〜、マジですか〜?

そんな予感が的中するかのように、最初のうちはヒットがきません。
少しして、わたしが1匹目のヤマメをゲット。
070630first

18.5cmと大きくもなく、小さくもなく。
最初の1匹目としては上出来です。

その後、わたしが2匹目を釣るまでに、嫌な予想を払拭するかのように
Tくんの竿はしなりっぱなし。5〜6匹釣り上げてました。
わたしも負けじと、1匹目から1時間後に2匹目。
うちは4人家族なので、なんとか1人1匹は確保しようと心に決めました。
まるで、家族を養うお父さんみたいです
宣言どおりその30分後に3匹目。20分後には4匹目を釣り上げました。
4匹目は、初の20cm越えとなるイワナで、Tくんにもお褒めの言葉をいた
だきました♪
070630イワナ


家族分確保!ということで、
ノルマ達成です

12時半に午前の部終了。
Tくん7匹、わたし4匹(ヤマメ1匹、イワナ3匹)
060730午前の部

渓流釣りでこれは、Tくん曰く大漁だそうです

朝早起きして持参したお弁当を食べてから、釣った魚の内臓を取り出します。
そのとき、対岸からガヤガヤと人の声が聞こえてきたと思ったら、川を
渡ってきた集団がいました。
外国の方たち4人組。
「寒いねぇ」
と話しかけてきた女性を見ると、なんと、下がパンツ
パンツって下着のパンティって意味ですよ。
Tくん曰く、「水着じゃないの?」とのことでしたが…。
そんな格好で、川の中をジャブジャブと。寒いに決まってます
そうじゃなくても、わたしは寒くて鳥肌が立っていたのに…。

場所を移し、午後の部開始です。
その場所は、川がとても深く、流れも急で、ほぼ初心者のわたしには、
とっても難しい場所。
1匹、ものすごく大きかった(多分)のをバラしてしまい、その後はヒット
もなく、また次の場所へ。
その場所、川へ降りる道がないのです。
だから、危ないかも!!とは思っていたのですが。
実は去年そこで3匹釣った実績のあるわたしは、今日もそこで釣れる予感
がして、行きたい!!と申し出たのです。

急な斜面を、慎重に降りて行ったのですが…。
途中、わたしが滑ってしまい、1回転。
足を捻り、身体を岩に打ちつけてしまう有様。
そして、それを必死に支えてくれたTくんが、岩とわたしの身体に入れて
くれた手を怪我してしまいました
「たいしたことない」
と言っていましたが、痛かっただろうな
ごめんなさい
とにかく、川に落ちるとか、大怪我にならずに済んで良かったです。

ここまでして降りてきたのに、釣らないわけにはいきません
かなり集中して、竿を振ります。
Tくんの家族3人。うち4人。
これまで釣った魚は、11匹。
あと3匹釣れば、2家族7人で2匹ずつ食べれるよ
絶対釣る!!

の宣言どおり、20分位して1匹目ゲット。
その後、また20分くらいして2匹目ゲット。
そして、10分後に3匹目をゲットしました。

ここでもまた、ノルマ達成です

いや〜、なんか我ながら、かっちょいい?!って思ったりして(笑)

まだ釣れそうな予感がしていたのですが、釣り糸が切れてしまい、替え
もちょうどなくなってしまったので、16時半、今年初の渓流釣りは終了
しました。

Tくん7匹、わたし7匹。
イーブンという結果で終了です
いや〜、満足満足。

崖を上がっていくと、偶然にもまたパンツ女性たちと出会いました。
相変わらず賑やかです。
目は自然と、女性の下半身に…(笑)
だって、どうみたってパンティに見えるんだもの

尾白川を出る前に、自宅に電話をして、
「たくさん釣ったよ。夜ご飯待っててね。7時過ぎになると思うケド」
母にそう言うと、どこをどう聞き間違えたのか、
「え、70匹?!すごい〜。楽しみ〜」
と…。
7時過ぎを70匹と聞き間違えたらしいのですが…

天然もののヤマメとイワナ。
天然な母が塩焼きにしてくれました
070630塩焼き

めっちゃ美味しかったです

第2回は、9月開催の予定。
次回も、楽しく、怪我ない釣りをしたいものです
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No  523

女園秘書室-第24話-



桃子の周りで次々に不可思議なことが?!
それは誰かのたくらみなのか…?
でも、桃子はまだそれに気付くまで、知識が増えていません!!
誰かのたくらみにはまる前に、桃子、いろいろなことを学ぶのです。
幸い、樹里はなにげに桃子に親切にしてくれている様子。
さぁ、張り切っていきましょう♪



第24話

「例えば、どんな感じなんですかね」
等々力が、もう一度同じことを言った。
桃子は、ナイ頭を一生懸命フル回転させたけれど、何も思い浮かばなか
ったので、本当にあったことを言ってみることにした。

等々力は桃子の名前を知らない。
けれど、「はなき」と打ったら「筋肉バカ」と変換されたことは言わな
かった。
そうじゃなくても、彼は軽く鼻で笑ったのだ。
バカにされたような気がして、桃子がムッとした顔を見せると、彼は慌
てて顔を引き締めた。

「お客さん、それは多分ですね…」
目の前にあるパソコンのワードを立ち上げて、彼は説明し始めた。
画面の右下に出ている何かをクリックしている。
「あ」とか「般」とか書いてあって、あとは意味の判らない絵が描いて
あるものだ。
「これが、言語バーと言って、この中のツールをクリックしてみると…」
一つ一つ確認しながら、丁寧に説明を続けてくれる。
「ここに、単語/用例登録ってありますよね」
パソコンを覗き込むと、確かにそう書いてある。

等々力は、桃子が頷くのを確認して、先を続けた。
桃子は、無性に喉が渇いてくるのを感じていた。

「例えば、[よみ]のところに、[ふくい]と入力して、[語句]のと
ころに[才女]と入れてみましょう」
等々力が、声を出しながらキーボードを打つ。
そして登録をしてから、ワードで[ふくい]と打って、変換キーを押す。
すると、どうだろう。
[福井]ではなく、一発で[才女]と出てきたのだ。

「多分、お客さんのパソコンを誰かがいたずらして、登録したんでしょ
うね」
そういうことだったのか。桃子はため息をついた。
会社のパソコンに仕掛けがあったわけで、桃子の買ったパソコンが普通
なのだ。

誰かが知らないうちに自分のパソコンをいたずらしたと思うと、桃子は
無性に腹が立った。等々力のことを怒っているわけではなかった。けれ
ど、桃子の顔が相当険しかったのか、
「すみません」
と、彼は一言だけ言った。

自宅へ帰ると、自分のパソコンを立ち上げた。
「良かったよ。お前が古くてバカじゃないってことが分かって」
青白く光る画面に向かって呟いた。
「それにしても、誰なんだ。あたしのパソコンにいたずらしたヤツは!」
桃子は、夜の闇に向かって犬の遠吠えより大きな声で唸った。

済ました顔をして、この中の誰かが、あたしに嫌がらせをしようとして
いる。
翌日出勤した桃子は、秘書室の全員を見回した。
今日は、全員と目を合わせて挨拶してみた。
容疑者を割り出すためだ。
容疑者などとは、大げさな言い方だけれど、ここで突き止めておかない
と、もっと悪いことが起こるかもしれないから、仕方がない。
全員が普通だった。
挙動不審なヤツなど一人もいなかった。
樹里など、
「今日はやけに丁寧ですけど、何かいいことでもあったんですか?」
と笑みを浮かべた。
この中に、犯人がいるとしたら、そいつは相当したたかなヤツだ。

それにしても、どうなんだ、あたしは。
誰が犯人か突き止めることも大事かもしれないが、こんな簡単なことも
分からなかった自分も責めなければならない。
昨日のことが、走馬灯のように蘇る。
このオンボロパソコンが、名前を入力しただけで、人の見てくれや行動
を判断するわけがないのだ。

仕事中も、全員の様子が気になって仕方なかった。
桃子はこの中では割と、早く出社して遅くまで残業をしている。
このパソコンに触れることができる人間は少ない。
桃子より遅くまで仕事をしているのは阿東や有砂、樹里だ。
ただ、阿東は、わざわざ桃子に、自分が「不倫中」などと言うわけがな
いので、容疑者リストからは除名されるだろう。
とすると、有砂か樹里が残る。
でもいったい、何のためにこんなことを。
子供じみて馬鹿げている。

-第25話へ続く-

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No  521

女園秘書室-第23話-



桃子の周りで次々に不可思議なことが?!
それは誰かのたくらみなのか…?
でも、桃子はまだそれに気付くまで、知識が増えていません!!
誰かのたくらみにはまる前に、桃子、いろいろなことを学ぶのです。
幸い、樹里はなにげに桃子に親切にしてくれている様子。
さぁ、今日も張り切っていきましょう♪



第23話

「お前は、頭わりぃんだな。くそっ」
桃子は、腹立たしげにパソコンを睨み付けた。
そして、そのパソコンの向こう側に、販売店の男を思い出した。
等々力だったか。
桃子は小さくつぶやいた。
最新式とか言いながら、実は古いヤツを売りさばいているのかもしれない。
値引き価格ですと言いながら、実は本当はもっと安いのに、最新式と偽
って、高く売っているのだ。
事実を確かめてやる。
桃子は、もうそれが本当であるかのように、勢い良く立ち上がる。
まだ、午後も八時を回ったばかりだった。その電器店は、夜十時まで営
業している。
行って一言文句を言ってやろう。

等々力は、笑顔で桃子を迎えた。
この前、ウインドウが開かないと言ったことを、笑われたような気がし
て、少しだけ怯んだ。
「等々力さん、忙しいですか?」
前回のこともあるので、つっかからないように丁寧に聞いてみる。
彼は、笑顔で、
「大丈夫ですよ」
と言って、店内のカウンターへ案内してくれた。
微妙だった。
隣にも、何かを相談している客がいた。

「どういったことでしょう?」
そう聞かれて、桃子は、一度隣の客に視線を移した。
大丈夫だろう。
隣の客は、何か不愉快なことがあったらしく、声を荒げて店員に文句を
言い始めた。
これなら、こっちの話など聞こえやしない。
左肘をカウンターについて、隣の客の視線をさえぎってみた。
「この前、パソコン買ったんだけどね」
優しい口調で切り出してみる。
すると、等々力は、自分が接客したからか、大げさなほど大きく頷いた。
「そうですね。調子はいかがですか?」
調子が良かったら、ここに来るはずがないじゃないか。
どうしてか、等々力の笑顔が憎たらしくなってくる。
だからと言って、隣の客のように、店員を頭ごなしに怒鳴りつける気は
しない。
はた迷惑だし、みっともない。

「どうもパソコンが調子悪くて」
話を軽く切り出した。
等々力は、大げさなほど頷いている。
「あれって、最新のなんですよね?」
疑わしい視線を送ると、彼は張り切って答え始めた。
「えぇ、あの機種は、ついこの間出たばかりで……」
聞きもしないこと、聞いても分からないことを、解説し始めてくれた。
彼の独演を遮ることもできたけれど、そうしなかった。
とりあえず、一通り喋らせておいた。等々力は、最後にようやく、
「で、どんなご相談でしょう」
と言った。
聞いていても意味が判らないことだらけだったので、随分と長い時間に
感じられた。
「あのパソコン、中身古いんじゃないの?」
「どういうことですか?」
どう説明したらいいのだろう。
まさか、「あとう」と打って変換しても「不倫中」と変換されないなど
とは説明できない。
「ワードの変換が、その、なんていうか、よく出来ないというか」
しどろもどろになってしまう。

「変換ですか…。例えばどんな風にですか?」
例えばだって?そんなの言えるわけないじゃないか。
不倫中だの、才女だの、筋肉バカだなどと。
「えっと、だから」
口ごもっていると、等々力は立ち上がった。
そして、桃子をパソコン売り場へ促した。

目の前には、アパートに置いてある桃子のものと同じパソコンがある。
この店は、客が少なくない。
それでも、彼は桃子が買ったパソコンをきちんと覚えていた。
たいしたものだ。
桃子は、警備員時代、月に3〜4回白旗を訪ねて来る営業マンのを覚えら
れないことがあったことを思い出していた。
「はなき」→「筋肉バカ」と言われても仕方ないか。

-第24話へ続く-

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No  520

幸せの黄色

Tくんの誕生日を記念して…
久し振りのチーズケーキ作りです。

下のクッキー生地には、ミレーフライ(というクッキー)と、フランス
のメールプラービスケットを混ぜて砕いたものを使いました。
この砕く作業が…ビリーのやりすぎで筋肉痛になった腕には辛いです
CCクッキー070623


たくさん作ったので、誕生日のラウンド用と自宅で食べるスクウェア用
2つ焼くことにしました
CC焼き前070623


160度で40分。
CCR完成070623

CCS完成070623


キレイに焼けました。

ラウンドのほうは、プレゼント梱包へ…。
CCプレゼント


スクウェアのほうは、早速切って試食です
CC&TEA070623


濃厚で美味しい

ヴァンフォーレも約1ヵ月半ぶりに勝利したし^^
幸せの黄色に感謝です

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No  517

バトンとは何だ?!

らんららという娘からバトンなどというものがきてね。
ただ日記を書けばいいらしいが、一体なぜわたしが人に日記を公開しな
ければならんのか。
「減給にしてやる」と思って、秘書の花木に社内中を探させたが、どう
やらうちの会社の人間じゃないようだ。
しかも、こんなルールまで書いてきた。

<口調バトン>

口0:絶対掟は守ること。
口1:回された人は回してくれた人の指定したキャラの口調で日記を書くこと。
口2:日記の内容は普段書くものと同じで構わない。
口3:回されたら何度でもやること。
口4:アンカーを突っ走る事は禁止されている。
口5:口調が分からなくてもイメージ。1人称もそのキャラのものにすること。
口6:これ以外のバトンとか貰ったら、その回してくれた人の名前もキャラなりの呼び方にする。
口7:最後に回す人を絶対4人指定すること。

白旗では、社長であるこのわたしが掟だ。
こんなものに従うものか!
とりあえず、日記だけは書いてやろう。
(らんららさ〜ん、せっかくなのに社長のこの態度!!あとで桃子が
ガツンとしとくので許してね♪ byユミ)

先週、数年来の付き合いの友人が、
「いいものを手に入れたから、明日の夜空けておけ」
と電話をしてきた。
この忙しいわたしに命令口調だ。
何か言ってやろうとしたとき、
「洋モノのDVDが手に入ったぜ」
その一言で、わたしは口をつぐんだ。
悪くない…。
「しかも、めちゃめちゃ激しいやつだ」
もっと、悪くない…。
今すぐ持って来い。
と言いたいのを我慢した。
次の日の会社にいる時間が異様に長く感じられた。

約束の20時半過ぎ、自宅近くに現れた友人から、袋を渡された。
「それ、かなり激しいぞ」
不適な笑みを浮かべる友人に、
「夜中にこっそり見るさ」
と言い残し、わたしはその場を立ち去った。

中身の想像はついていた。
早く観たいとは思っていたのだがね、ここ最近仕事もプライベートも
充実し過ぎるくらいで、忙しくてすっかり忘れていたのだよ。
今日初めて袋を開けた。
DVDを差し込む。その前に着替えだ。スーツを濡らしてはいけない。
再生ボタンを押す。
画面に出てきたそいつは、いま1番ホットな男だ。

ビリー

そう、友人がくれたのは、わたしがずっと欲しがっていた、
ビリーズ・ブート・キャンプだ。
洋モノで、ホットで、激しい
ダイエットのDVDだ。
車生活のうえに、運動不足というやつでね。
恥ずかしいから、自室で音量を最小限にして、ビリーの指示通りに動い
たら、汗だくじゃないか。
この男、このわたしを誰か分かっていないようで、終始命令口調で腹立
たしかったが、なかなかいい男だ。
均整のとれた体。いま日本に来ているというじゃないか。
ぜひ、ボディガードにしたいものだ。

なになに、このバトンとやらを4人に渡せだと。
生憎、小説など書いている仲間は少なくてね。
わたしが知っている仲間は、もう全員回っているんだろうけど、書いて
おこう。
わたしの命令は絶対だ。

chachaさん→gordon(ビリーの前にボディガードにしたかった男だ)
楓さん→メラニス(口調はおかまだが、強いからわたしには必要な男だ)
らんららさん→テッタ(将来もっと強くなったら雇ってやる)

と…こんなところだ。

PS. な〜んか、社長が勝手なこと言ってますが、バトン回った皆さん、
気になさらないように^^
らんららさんからもらったのを忘れたかのように、またらんららさんに
まわしてるし…^^;
社長逃げちゃいました byユミ
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No  516

女園秘書室-第22話-



桃子の周りで次々に不可思議なことが?!
それは誰かのたくらみなのか…?
でも、桃子はまだそれに気付くまで、知識が増えていません!!
誰かのたくらみにはまる前に、桃子、いろいろなことを学ぶのです。
幸い、樹里はなにげに桃子に親切にしてくれている様子。
さぁ、今日も張り切っていきましょう♪



第22話

給湯室で熱い珈琲を入れた。熱いものが喉を通ると、身体に電流が入っ
たようにピリッとした。
カフェインの効果は分からなかったけれど、ようやく今になって、桃子
は頭が冴えてきたのを感じた。
あぁ、だからあいつらは、朝珈琲を飲むのか。
有砂と樹里が毎朝珈琲を淹れてくれる。
なるほど、頭がすっきりしてくる。
秘書室へ戻ると、樹里が、一枚の紙を桃子に手渡してくれた。
「まとめておきましたので、これを打って、添付ファイルで今日の出席
者及び出席者の秘書に送っておいてください」
気が効くじゃないか。
「ありがとうございます」
桃子は丁寧にお礼を言ってから、それを有難く受け取った。
心の中では、そんな丁寧な感謝の言葉を思い浮かべていなくても、発せ
られる言葉は少しずつ秘書に近付いてきている。

パソコンに向かう。
こんな仕事は、向いていない。
ずっと腕を後ろに組み、立っているだけの警備員もどうかとは思っていた。
怪しい人が入ってくることもほとんどなかったし、立って、行きかう人
を眺めるだけで、桃子の一日は何日も過ぎていったのだ。けれど、座っ
ていることのほうが過酷だ。桃子は、ため息を一つついた。

wordを立ち上げて、議事録を書き始める。
作成者の名前は、表面上は桃子なのだろう。
「花木」と打って、変換キーを押す。
すると、なんと「筋肉バカ」と出てきたではないか。
おぉ、あたしのことをよく分かってるじゃねーか、このパソコン。
じゃねーだろ。
自分でも頭が悪いことは分かっているし、体力以外に自慢できることな
どないけれど、それでも人にそのことを指摘されると腹が立つ。
ましてや、パソコンだぞ。
おい、いま時代ってのは、そんなに先に進んでいるのか。
機械が使う人の悪口を勝手に言うようになってしまったのか?
コイツ…夜中にこっそり忍び込んで、めちゃめちゃに破壊してやる。
桃子は、くやしさを顔一杯に広げて、パソコンを睨みつける。
当たり前だが、パソコンはうんともすんとも言わない。
それがまた、無性に腹立たしかった。
喋ってみやがれ!!

あまりに苛立たしくなったけれど、皆がいる前ではグッと我慢しなけれ
ばならない。
桃子は、怒りを抑えながら、こそこそとゆっくりキーボードをたたいた。
「五反田」は「PG」と変換された。なんのことだか、桃子には分からな
かった。桃子はこれを無視して、「福井」と打ってみる。樹里に見られないように、画面を少し樹里とは逆側に傾けた。その結果、「才女」と
変換された。
「チッ」
舌打ちすると、室長の阿東が、顔を上げた。
ずり下がったメガネを、クィツと押し上げる。
「阿東」と打ってみる。すると、「不倫中」と出てきた。
アン?なんだこれ?
阿東を見ると、しきりにキーボードを叩いている。
「お前、そんなことまで分かるのか?」
ここにいる女たちを見回した。
テレビドラマの見すぎだろうか。
不倫なんて、だいたい仕事関係者に決まっている。
阿東が関わるとしたら、この中の誰かだ。
「おい、誰か教えてくれよ」
とは言っても、返事があるわけではない。
ただ、パソコンがここまで進化していたことに驚きを隠せなかった。
先ほどまでの怒りはどこへやら、桃子はパソコンに対して尊敬の念さえ
抱き始めたのだった。

仕事を終え、自宅に戻った桃子は、自分のパソコンがどんなものか確か
めてみたくなった。
wordを立ち上げて、「となみ」「あとう」など打ってみたが、「ラ・フ
ランス」とか「不倫中」とは変換されなかった。

そりゃ、そうか。
こいつは、ここにずっといて、彼らを見ているわけではないのだ。
それではと思い、「花木」と打ってみた。
「変だぞ」
「はなき」と打って変換しても、桃子の苗字である「花木」とか、わけ
の分からない「花城」しか出てこない。
「なんだ、コイツ」
会社にあるパソコンとなんら変わりがないように見える。
いやいや、というより、コイツのほうが新しいと思う。
会社のは、前に使っていた秘書が作ったデータが残っていたので、新し
いパソコンではないはずだった。
桃子は、ついこの前買ったばかりだし、最新といわれたパソコンだ。
それなのに、何で普通にしか変換されないのだろう?
「筋肉バカ」でもいいから、変換してみろ!

-第23話へ続く-

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No  515

ウィーン最終章-良い加減にいい加減-

5月13日

いよいよウィーンを離れる日がやってきました。
朝、余裕があったら、どこかカフェ寄りたいね〜
連日のケーキずくしも、なんのその。
まだ食べる気満々で、ガイドブックと睨めっこしていたのですが、そん
な時間は作れませんでした

石畳の道路をスーツケースをガラガラ引きずりながら、ホテル近くから
トラムに乗り、ウィーン北駅へ。
そこから国鉄でウィーン南駅へ。
旅行会社で手配してもらったチケットは、普通乗車券だけで、特急券は
現地で購入するように言われていたので、窓口に並びました。
いよいよ順番が来て、特急券を頼むと…

特急券を発券する機械が壊れてるから電車の中で買って!

とのこと。

それでは…と、ホームに行ったのですが…。
プラットホーム1〜9のいずれかから出発しますとあったのに、プラハ行
きが見付かりません

ないじゃん?!

全部見て回ったのですが、分かりません。
10分くらいウロウロして分かったのですが、発車案内の表には、最終目
的地しか書かれていなかったから気付かなかったのです。
わたしたちの乗る電車は、最終目的地がドイツでした

ホームをうろうろしている駅員さんに、
「このチケットの特急券買えますか?」
と聞くと、チケットを見て、
「乗ってまえ(何故に、関西弁?)」
と、手をヒラヒラと電車に向かって振るのです。
やる気なさげ〜
じゃ、中で買えばいいのか〜。
2等車に乗り込むと、6人席のコンパートメントになっていました。
適当なところに入って座っていると、どデカイ集団が入ってきました。
「ここは、あたしたちの席よっ」
予約席だったようです。
コンパートメントの入り口に、名前と行き先が書いてあり、自由席では
ないようなのです。
仕方なく、重いスーツケースをゴロゴロ引きずりながら、ようやく名前
が書いてないコンパートメントを見つけ、席に着きました。

電車がホームを離れると、検札に来た車掌さんは、なんと、あのやる気
がなさそうに、「乗ってまえ」と言った駅員さん
特急券を買わなくては!!とお財布を用意していたのに、首を横に振っ
て消えていきました
え?いいの??買わなくても???
その後、少しして、出国審査の人がやってきて…。
チェコに入ったのか、入国審査の人がやってきて…。

わたしたち、結局44ユーロでウィーンからプラハへ移動しました
日本じゃ考えられないことですが、このいい加減さのお陰で、安く移動
することができました
こんな感じの良い加減が大好きです

これにてウィーンは終了です
ウィーン、とても素敵な街でした。
もっと、もっといろいろな物を見たり、触れたり、食したりしたかった
ところでした。それはまた、いつか行くときのお楽しみに取っておきま
しょう♪
続いて、プラハ旅行記始まります
お楽しみに
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No  514

ウィーン第10楽章-楽しい音楽の時間-

5月12日

いよいよモーツァルトコンサートのお時間でございます。
だいぶ前に購入して、ほとんど着ていなかったミニのワンピを、年齢も
考えずに着ていきました

モーツァルトが関わると、道に迷うのが定番になったかのように、わた
したちは、目指すホールにたどり着けず、例のごとく付近の人に声を
かけまくりました。
途中、公園のベンチに1人ポツンと座る男性にも声をかけました。
彼ってば、花束を抱えていて…。きっと彼女と待ち合わせなのでしょう。
ヨーロッパってこういうのが普通で、羨ましいです
遠くから見ると、花束を抱えてベンチに座る男性の後ろには、緑豊かな
公園。その後ろには、教会
絵になります!

時間ギリギリになんとか着いたのは、楽友教会。
日本で予約していたので、リザーブチケットをチケットに変えてもらい
ました。
リザーブチケットには、黄金ホール(大ホール)で開催と書いてあった
のに、今日の会場は、小ホールみたいです。うぅ〜、残念
でも、小ホールは、ブラームスホールと呼ばれていて、ブラームスの彫像
がありました。

1人39ユーロ(約6000円?)の末席だったので、階段を果てしなくのぼり
会場に入ったときには、クタクタでした
運動不足なのか、年のせいなのか…(笑)
席は、バルコニー席。
バルコニー席って、洋画なんか観てると、偉い人とかセレブの人たち
座る席なので、ちょっとだけセレブ気分に浸りました。
バルコニーより


でも、そんな気分もちょっとの間。
「あの〜」
と声をかけられたのです。
振り向くと、東洋人。
っていうより、「あの〜」と言ったくらいだから同士のジャパニーズ
「そこボクの席だと思うんです」
お姉さま2人を相手に、大学生らしき男の子は、おずおずと話しかけてき
ました。
わたしたち、チケットをよく見ていなかったんですよね。
前日の宮殿コンサートがブロック内は自由席だったというのもあったし、
ここもてっきり自由席かと思っていたわけです。

「すみません
自分たちの番号を確認して座った席は、中腰になって覗きこまないと、
舞台が見えない席でした。
うぉー。です。

いよいよ開演時間になり、オケのメンバーが入場してきます。
うわぁ、本当に完璧なほどみんなモーツァルト
ただ1人を除いては!!
そう、1人だけモーツァルトに扮していないのは…
このオケのコンミス(第1ヴァイオリンの首席奏者)さん。
コンミス(コンマス)さんは、オケのトップで、音楽的以外にも全体を
通して、指揮者とオケメンバーとのパイプ役を担います。
「のだめ」のSオケでは、みねくん。Aオケでは、清良ですよね。
みねくんが、ロックテイストのパフォーマンスをしたように、このオケの
コンミスさんにも、自らモーツァルトになって欲しかった〜
でも、途中10分以上に渡るヴァイオリン協奏曲での彼女のソロには、ウッ
トリしちゃいましたけど

最後の2曲は、何故か、ヨハン・シュトラウスになってました。
彼の代表的作品、美しき青きドナウラデッキー・マーチ
前日の宮殿コンサートでも、ラデッキー・マーチでは、指揮者が客席に
向かって指揮棒を振り、観客の手拍子を促して、大盛り上がりでした
が、このコンサートでも同様でした。
モーツァルトコンサート

この2曲は、今年に入ってから初見用(譜読みナシ、練習ナシ、楽譜を
見てすぐその場で弾く)として弾かされていたので、さらに楽しめました

素敵な音楽に酔いしれて、ウィーン最後の夜は更けていったのでした

*このコンサートは写真撮影はOKです。
が…フラッシュたいたりするのは、やはり気が散るでしょうね…。
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No  513

ウィーン第9楽章-対決-

5月12日

ベートーヴェンの家を後にして、次に向かったのは…

シュテファン大聖堂
シュテファン寺院

モザイク屋根が特徴のこの大聖堂は、12世紀半ばにロマネスク様式で
小さな教会として出発し、14世紀にゴシック様式の大教会に建て替え
られたそうです。

聖堂の中って、厳粛な雰囲気とひんやりした空気が好きです
が…ウィーンのシンボルとあって、たくさんの人。
ステンドグラスが素敵だったので、1枚だけupしまーす。
シュテファンステンドグラス

ここ、トイレが分からなくて、最寄り駅のシュテファンスプラッツ駅
まで行ったのですが、おばちゃんがニンマリ、チップを要求
へいへい、払いますよ。
あ〜、でも、何度旅行しても、このトイレのチップには慣れないものです。

この後は、また付近をプラプラ+プラプラ

そして、たどり着いたのは、デーメル
満席だったので、少し待たされましたが、ザッハー・トルテのために、
待ちました

暑かったので、わたしはアイスカフェーとザッハー・トルテを注文。
これが、まぁ、すごかったのです。
ちゃんとガイドブックで確かめれば良かったんですけど…
こちらは、日本のようなアイスコーヒーはないようなのです。
運ばれてきたアイスカフェーを見て、思わず絶句
その後は苦笑^^;
アイスカフェー

暖かい珈琲の上に、アイスが乗っているんです。
これぞ、名前の通り、アイスカフェー
しかも、生クリームやらチョコレートソースやら、ウェハースまで

その上、ザッハー・トルテ
デーメル・ザッハートルテ

これじゃ、甘いものに1年くらい飢えていた人みたいです

隣のカップルが、ヒソヒソと、「ジャパニーズが…」と何か言っていま
した。
「アホだなぁ、あの日本人」
とでも言っていたのでしょうか〜?

最初のうちは、頑張って珈琲の上の生クリームやアイスを食べていまし
たが、ザッハー完食のために、途中からは底に沈んでいる珈琲だけを、
上手く飲むようにしました。それでも甘甘ですが

デーメルでは、ザッハー・トルテの横に生クリームをつけるかつけない
か、注文のときに選べます。
わたしたちは、クリームをつけてもらいました。
あの、甘さも何もないサッパリした生クリームがあるからこそ、この甘
いザッハー・トルテを食べることができるのだと、前日ザッハーで学んだ
からです

このザッハー・トルテは、上のチョコレートの層が厚くてかたいです。
なので、中のアプリコットジャムが酸っぱめでしたが、マッチして
ザッハーとデーメル…どちらが勝者というのは多分ないでしょう。
それぞれ、美味しかったですもの
わたしは、ザッハーのザッハー・トルテのほうが好みでしたけど

気になる、アイスカフェーのその後ですが…。
沈んだ珈琲も、甘いアイスに侵略され、ザッハー・トルテを1個食べきっ
たわたしの胃は、悲鳴をあげておりましたので…。残念ながら、残して
しまいました

ちなみにこちら、約12ユーロ。
わたしたち、167円で両替しましたから、カフェタイムなのに、2000円弱
でした
た…高い。

このとき時はすでに、17時近く。
もう夕飯は食べる気がしません。
またザッハー・トルテでお腹を満たしてしまいました

この日の夜は、モーツァルトコンサート(演奏者全員がモーツァルトの格好)
です
持ってきた一張羅(笑)に着替えるため、ホテルに戻ることにしましょう。
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No  512

ウィーン第8楽章-ビバ・べー様-

5月12日

行きたいところは多々あれど、時間は多々ないところが辛いです
シェーンブルン宮殿を後にして、わたしたちが向かったところ。
それは…

ベートーヴェンの家
そう、ベートーヴェンが8年間暮らしたアパートです。
日本にいるときなど、ベートーヴェンの曲は暗いとか言って、敬遠して
いたくせに、ここへ来て、ベートーヴェンモードです
わたしが知っているベートーヴェンのピアノ曲で明るいのは、エリーゼ
のために
だけだけど、それだって、エリーゼ(本当はテレーゼらしい)
に恋していたものの、こっぴどく振られたと聞いてから、なんだかブルー
に聞こえてくる。月光はTVドラマでも必ず、いや〜なくら〜い雰囲気の
時に流れるし、実際これ弾くと、重い気分になるし〜。

なんて、文句ばっかり?!

そんなことを言っていたからか、アパートの目の前に来た瞬間、突然、
手からデジカメが滑り落ちていきました。
何もしてないのに、わたしの手から逃げるようにです
ガシャーンという音と共に、電池がふっとびました。
慌てて直してみると、なんとか使えますが、一部部品が壊れてしまい、
「お墓で、何かしたっけ?」
なんて、話しになる始末
「あ〜、ごめんなさい!もう二度と暗いとか言いませんから」
そういいながら、わたしたちは、アパートの前に立ちました。
1階は狭い音楽ショップで一度は入ったものの、帰りに立ち寄ることに。
ベートーヴェンが住んでいた5階まで登っていきます。
暗い螺旋階段をひたすら登っていきます。

あ…また暗いって言っちゃった

ここの正式な名前は、パスクヴァラティハウスです。
ベートーヴェンハウス

1人2ユーロは、安いです。
客は、わたしたち以外には誰もいませんでした。
職員2人に客2人。マンツーマン

まずは、グランドピアノが置いてありました。
このピアノ、鍵盤に触れないように、アクリルみたいなものでガードさ
れています。
が…わたしたちは、ピアニスト気取りでいかにも弾いているように写真
を撮りました
ユミ・ベートーヴェン

これ、イスがないので、空気イスです。

このピアノ、ペダルが5つあります。
グランドピアノ

通常は3つですが、残りの2つは何に使うのでしょう…??
こんなにあっても使いこなせないだろうなぁ

ここでの写真撮影は、フラッシュ禁止です
でも何故か、Cちゃんのデジカメはフラッシュ連発。
最初は怒られたのですが、その後ついてこなくなったので、もういいや
とフラッシュたきまくりでした…

ベートーヴェン、手書きの楽譜
手書き楽譜

前に、ベートーヴェンの映画を観たときに、あまりの楽譜の汚さに驚い
たものですが、ホント、ちょっと譜読みできません

アパートなのでそれほど広くなく、見学はすぐに終了しました。
でも、ここに住んでいたんだ!と思うと、感慨深いものがあります

1階にあった、音楽ショップに立ち寄ります。
ここは、音符が描いてあるグッズがたくさん置いてありました。
その中で、一目で気に入ったもの。
楽譜扇子

扇子です。

今年の夏は暑いらしいので、大活躍するかな?

ベー様、さようなら〜

何度か振り替えりつつ、わたしたちはアパートを後にしました。
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No  511

am/pm

昨日は午前中、あまり良くなかったよね

今週水曜日、母が言ったのです。

なんのこと
確か、天気は悪くなかったハズ。

体調のこと…
誰も具合悪くなかったけれど。

午後は良かったんだよねぇ

ひぃぃ、なんのこと…

「稲本がさ〜」

これで全てが分かりました。
そして、わたしが突っ込む前に、母は自分で気付きました。

「やだぁ、午前中だって。あははは〜」

に続いては、

「なんだっけ…。なんていうんだっけ」

「ぜ…前半、後半でしょ?」

わたしが言うと、

「ふふふ〜、そうそう。やだやだ」

一人ツボに入ったようで、ゲラゲラと笑っておりました
サッカーの前半を午前中、後半を午後と勘違いしておりました。

この瞬間、やっぱり親子だって思ったものです。
実はわたしも去年、友人と話しているときに、同じことを言ってしまっ
たことがあるのです。

「午後、調子良かったよねぇ」

って

「午後って…」

すぐに突っ込み入りましたけどね。

話は変わって、火曜日の日本代表戦では、わたしずばり当てました。
前半終わり間際に、
「稲本さげて、羽生入れたほうが良い!」
そう言ったら、本当にその通りに。

あ、うちにはオシムがいるからかなぁ

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No  510

ウィーン第7楽章-1日48時間-

5月12日

朝方、犬がしきりに吠える声で目が覚める。
目が覚めたら、さむっ
連日暑くて、しかも屋根裏部屋のようなわたしたちの部屋は熱気がこもる
のか、夜は窓を開けておかないと暑いのです。
わたしなんて、タンクトップハーフパンツで寝ているのに…。
しかも、暑いの平気で寒いの苦手なのに…
朝晩の気温差は激しいです。気をつけましょう。

この日は、前の晩にコンサートで訪ねたシェーンブルン宮殿へ向かいました。
この宮殿、世界遺産にもかかわらず、ガイドブックでは粗末な扱いです。
だから、わたしはそれほど重要視していなくて、行けたら行こうくらいの
気持ちだったのですが、前日のコンサートですっかり魅了され、大幅に
時間をとっての見学となりました♪

9時には現地に到着。
前日は、夜だったのと、時間ぎりぎりで慌てていたこともあり、外観が
どんな感じかまったく分からなかったのですが、こんな風に黄色の壁で
とっても良い雰囲気の宮殿です。
シェーンブルン宮殿

1695年にレオポルド1世が夏の離宮として建てた宮殿です。
マリア・テレジアがこの宮殿に住むときに、黄色い壁に塗り替えるまでは、
ピンク色の壁だったのだそうです。
ピンクも見てみたかったなぁ。でも、ピンクじゃケバケバしいかしら?

チケットを買うのに、かなり並んでいました。
チケットは数種類あり、宮殿の部屋40のうち20だけ見学するもの、40部屋
すべて見学するもの、宮殿40部屋+庭付きのもの、それにパン屋さんが
パンを作るところを見学できるもの、などありましたが、わたしたちは
パン屋さん抜きのチケットを買いました。
入場するのにも並んでいます
チケットに入場時刻が刻印されていて、その時間が来るまで入れません。
1分毎に入場するのです。こまかっ!!

入場して左手に、音声ガイドを貸してくれるブースがあります。
日本語というと、日本語にセットして渡してくれます(無料)。
詳しくガイドしてくれるので、ツアーじゃない人は、絶対借りることを
お勧めします。
宮殿内は、撮影禁止でした。
前日のコンサートで少し写真を撮っておいて良かったです。
モーツァルトが幼少の頃デビューした部屋、マリアテレジアや、エリザ
ベート皇后(シシィとして親しまれていたそうです)の暮らした豪華な
部屋の数々
こちらの宮殿は必見です
宮殿内から見える裏庭(めっちゃ広すぎ!)は、とても美しく整備され、
魅了されました。

宮殿内部を見終わり、その庭へ向かいます。
薔薇の花が美しく咲いていました。
バラアーチ

こんなところで生活していた人がいるとはっ!
身分ってすごいと感じました。

この庭のはるかかなたに、グロリエッテ(展望台のような場所)があった
のですが、ものすごい遠くにあるのと、ものすごい坂道に見えて、とても
歩いて行く気がしません。こちらは断念です
ウィーンの町並みが一望できたそうなんですけどね。

その後も果てしなく広がる庭を歩き回り、ぐったり疲れて、宮殿内のカフェ
で休憩です。
RESIDENZというカフェ。
オープンテラス席に座りました。
軽食とケーキを注文。
かわいらしい小鳥が行き交い、さえずっています。
太陽から逃れて、ちょっと良い気分に浸っていたのですが…
その小鳥たち、食べクズを狙っていたようで、パンくずが落ちるたびに
シャーッと現れては奪って行きます。
ものすごい低空飛行で、ぶつかるんじゃないかくらいの距離でした。
絶対ぶつからないように飛んでいるんでしょうけどね。

こんなときになって、前に勤めていた会社の後輩の話を思い出してしま
いました。
なんとその後輩、運転中に、横切った鳥がフロントガラスに当たり、し
かも雨だったので、動かしていたワイパーに鳥が挟まってしまったとの
こと。
そんな鳥もいるので、わたしは鳥が飛んでくるたびに、ぶつからないよ
うにと頭を低くしておりました

デザートは…わたしは、チーズケーキ
ウィーンチーズケーキ

Cちゃんは、苺のババロア風のケーキを頼みました。
ウィーン苺のケーキ


どちらもものすごいボリューム。
チーズケーキは、ちょっと酸味が強かったので、
Cちゃんが頼んだ苺のケーキはとっても美味しかったです♪
ちょうど苺の季節?だったのか、苺フェアらしきものを開催していました。

この時点でもう2時近く。
本当なら、オペラ座の内部見学ツアーも行きたい
最近できたという音楽の家では、オケの指揮が触れる疑似体験ができる
設備があるらしく、そこにも行ってみたい
公園に立っている、ベートーヴェンの銅像も見たい
あれやこれやと見たい場所がたくさんありすぎて、パンクしそうです

日本で1日ロスしてもいいから、ここで1日が48時間あったら、どれだけ
良かっただろうと思いました。
ゆっくり休んだ後、わたしたちは、欲張ってせかせかするのを辞めて、
ある場所へ向かいました→  …to be continued-

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No  509

ウィーン第6章-エセレ部始動-

5月11日

夕飯を大量摂取した後、カールスプラッツ駅まで猛ダッシュ
20時を5分ほど回って、ようやく地下鉄U4に乗り込みました。
シェーンブルン駅に到着したのは、20時20分前。
足早に歩いて、会場に着いたのは、なんとコンサート開始2分前でした
ほぉぉ、なんとか間に合った〜。最初から見れないと、なんかブルーだ
もんな〜。良かった、良かった
席もあまり後ろにならず、並びの席が空いていました。

シェーンブルン宮殿コンサート

コンサート中の写真撮影は禁止だったので、休憩時間に写真を撮りました。
写真には撮りませんでしたが、天井画が中世のヨーロッパを彷彿とさせ
るもので、ウットリです

コンサートは、1部がモーツァルト、2部がヨハン・シュトラウスの曲で
2時間弱でした。
フィガロの結婚は、オペラ調だったし、バレエの人たちも出てきたりで、
ただのオーケストラコンサートではなかったので、飽きませんでした。

ただ…ただ…夕飯時に飲んだビールが効いたのか、途中スヤスヤ
あ、決して退屈したわけではないんですよ〜

すっかりセレブな気分に浸りつつ、帰りの電車では爆睡に次ぐ、爆睡。
駅に到着するたびに、Cちゃんに起こしてもらいました。

この日は、Cちゃんがお風呂から上がる前に、寝言を喋りながら熟睡です(笑)
あぁ、またやってしまった寝言、酷いんです…。
今となっては、何の夢を見ていたのか思い出せません。
コンサートの優雅な思い出に浸れていたのならいいのですが、モーツァ
ルトのお墓に辿りつけず、汗だくだった思い出だったら…^^;
こんなことを思い出していると、今日あたり夢にみそうです

さてさて、一日が終わりました。
こんな風にして、毎日いろいろな場所でコンサートが行われているウィ
ーン。
素敵な街ですそして、こんなところに生まれ育った人たち、住んでい
る人たちが、とても羨ましいです。
小さい頃から、こういう場所で生活していたら、もうちょっと芸術的に
なれていたかしら…?
日本に帰国しても、絶えず音楽に触れていたいと思ったのでした
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No  508

女園秘書室-第21話-


久し振りに会った母親は、桃子の突然の変わり様に、驚いています。
それどころか、あらぬ妄想を抱いて、一人ニンマリしています(笑)
きっと、彼女の中では、もう未来の孫の顔まで浮かんでいるかも知れ
ません…。
桃子は、来週からの仕事に向けて、母がいる間に、なんとかパソコン
の知識を増やしたいところでしょうが。
ガンバレ、桃子!!


第21話

母親は、桃子のメールアドレスを得たことで満足したのか、それ以降何
をするでもなく、電車に乗って帰って行った。
ホームまで見送ると、少し感傷的になってしまうので、いつも改札口ま
でと桃子は決めていた。
「ようやく、地元も自動改札になったのよ」
母は、得意気にチケットを改札に滑り込ませると、夕方の雑踏の中に消
えていった。

さて、また明日から仕事だ。
眠くなるまで、文章を打つ練習をしておこう。
桃子は、パソコンの前に座る。wordを立ち上げて、ローマ字打ちの練習
に打ち込んだ。
「平仮名の配列を覚えてしまえば楽だ」
と思っていたが、おふくろ曰く、
「今はローマ字打ちが主流よ」
とのことだったので、そっちに方向転換してみた。
英語は分からないが、ローマ字ならそれとなく分かる。
それに、もしも将来的に、英語が本格的に必要になったとき、今のうち
にローマ字で打てた方が楽だと思った。
あたし、賢いだろ?
桃子は、斜め前に置かれた全身が写る鏡に向かって、ニヤッと笑ってみ
せた。

翌日、その訓練の成果が試される仕事が回ってきた。
会議資料の作成だ。
いつもなら有砂が作成するようだが、彼女は風邪を引いて休みらしいのだ。
桃子は、有砂の細い身体を思い出していた。風邪を引いてもなかなか治
りそうにもない、身体つき。
かわいそうに。という思いより、この隙に…という気持ちが桃子を支配
していた。

社長の手書きの原稿がある。
それを打てばいいだけだから、たいした仕事ではない。
一時間後の会議に間に合わせれば良かった。
ただ、桃子は、まだ両手をうまく操れない。
アルファベットの場所も、すぐに特定できるわけじゃない。
慎重に作業を進めなければならず、一時間はあっという間に過ぎていく
ことだろう。
以前の会議資料を参考に打ち始めた。

会議の名前や日付までは順調だった。
出席者の名前を打ち込むとき、おかしなことが起こった。
「戸波」と、社長の名前を打ってみた。
「となみ」と打って、変換ボタンを押す。
すると、どうしたことだろう。
「ラ・フランス」
と出てくるのだ。
「あぁ?」
思わず、声を出してしまった。
樹里の鋭い視線を感じた。
一度「ラ・フランス」を消去してから、もう一度「となみ」と打ってみる。
変換を押すと、またも、「ラ・フランス」と出てきた。
どういうわけだ?
もう一度変換ボタンを押すと、今度は、いろいろな漢字の変換候補が出
てきて、ようやく「戸波」と打つことができた。
「ラ・フランス」といえば、果物の洋ナシのことというのは分かる。そ
れは桃子の大好物の一つだからだ。
ただ、戸波とラ・フランスがどんな関係があるのかさっぱり分からなか
った。
ん?もしかすると、戸波とは、フランス語で「ラ・フランス」というの
だろうか。
一人、パソコンの前で首を傾げてしまう。
「何か困ったことでも?」
樹里が、笑顔を向ける。
なんだコイツ。どうしてこんなに笑顔なんだ。
桃子は少しだけ、イスを樹里から離した。
「いえ、別に」
「今日は、五反田さんがいないから、頑張ってくださいね」
それだけ言うと、彼女は立ち上がって、どこかへ行ってしまった。

余裕だと思っていた資料作りも、終了してふと時計を見ると、四十分も
経っていた。誤字脱字のチェックや、コピーをして、桃子は何とか十分
前に会議室へ入室した。

会議中、桃子は上の空だった。
特に、発言をするわけでもなく、ただ、会議参加者の会話をメモに取る
だけなのだが、そのノートにミミズが這ったような字が書かれていた。
有砂がいないときに限って、こんな失態をおかしてしまう。これでは、
有砂がいない隙に、自分だけが社長秘書になるという夢は遠くなる一方だ。
会議内容は、多分聞いていたとしても何が何だか分からなかっただろう
けど、聞かずして議事録を書くのは至難の技だろう。

-第22へ続く-

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No  507

ウィーン第5章-ノックアウト-

5月11日

ホテルに戻ったときには、もう5時半を過ぎていました。
20時半からのシェーンブルン宮殿のコンサート。
20時くらいに来れば、B席(A→B→Cの順で前から並んでいて、そのブロッ
ク内では自由席)の中でも、A席に近い前のほうに座れるよ〜。
とのことだったので、逆算していくと…夕飯をのんびり食べている時間
はありません

本当は、グリーヒェンバイスルという、創業15世紀のオーストリア伝統
料理が食べれるウィーン最古のレストランに行きたかったのですが、場
所もよく分かっていないし、とにかく時間がナイ
(あ、ちなみにここ、ベートーヴェンやシューベルト、ワーグナーなど
の直筆サインが壁に書かれているそうですよ)。
それなら!と、ガイドブックを見て、今日行ったあたりなら、地理的に
分かっているので、シュテファン寺院近くのフィグルミューラーという
お店に決めました。
ここは、ウィーン名物、ウィンナー・シュニッツェルが特大なことで
有名なお店だそうです。
通常は、仔牛のお肉ですが、ここは豚肉。大きくて、お皿からはみ出し
ている写真を見て、ジュルジュルゥです

シュテファンスプラッツ駅で降りて、親切そうな夫婦2組にお店の場所を
聞きました。女性たちは、わたしたちのお腹をさすりながら、
「あなたたちに食べれるかしら?」
「お腹がボールみたいになるわよ〜」
と言いながら、丁寧にお店の場所を教えてくれました。
路地裏のようなところにあるお店に着くと、すでにお店は満席で、外で
並んで待っている人がいます。
え〜、わたしたちには待つ時間がないよ〜ぅ
他を探すか…。そう思って、ガイドブックを開きかけたとき、先ほど道
を教えてくれた4人組が、その路地裏に来たのです。
「いっぱいなのね〜」
「人気があるからね〜」
わたしたちが、ちゃんと無事に着いたかどうか、様子を見に来てくれた
ようでした。
なんて親切な人たちでしょう
そして、
「他のところを紹介してあげるわ」
と一人の女性が言い、
「ここの姉妹店なの。歩いてすぐだから」
と、案内してくれました。
同じ店の名前で、姉妹店が近くにあるとのことで、そちらのほうが静か
で、落ち着いて食事ができるので、彼女達は気に入っているとのことで
した。
路地を抜けて、1分も歩かないうちに、その店には着きました。
席も空いています。
おばちゃんたちに笑顔で手を振って、わたしたちは店内に入りました。

目の前を通過していく、皿からはみ出したウィンナー・シュニッツェル
に、気分は高まり…。ビールを頼みました。小なのに、生中なみの量です!
さすが欧米…。
そして、ウィンナー・シュニッツェルもスモールサイズがあるとのこと
だったので、わたしたちはおとなしく、スモールサイズを注文しました。
サラダとウィンナー・シュニッツエルで、12ユーロくらいです。
ビールでほろ酔いして、時間のことなどすっかり忘れ…、運ばれてきた
シュニッツェルが、スモールとは思えないサイズで大爆笑
ウィンナーシュニッツェルALL


これ、わたしが持っていたガイドブックとの比較です。
ウィンナーシュニッツェル比較

いくら、薄く叩いているとはいえ、この量はハンパじゃないですよ。
しかも、久々に飲んだビールで、お腹はすでにポッコリ。
サラダも、居酒屋なら4人くらいで食べてちょうどいい量だし、シュニッ
ツェルを、マヨネーズとケチャップで食べたものだから、すぐに動く気
分ではなくなってました。
味?味は、かなーり美味しかったです。
サラダはシャキシャキ新鮮野菜。
シュニッツェルは、マヨorケチャップをつけなくても、塩コショウで、
しっかり味がついていて、Goodです。

食べ終わって時計を見たときには、もう19時50分。
え…?ヤバくない?
宮殿コンサートは、20時半から。
そして、コンサートが行われるシェーンブルン宮殿までは…?
行きかたはなんとなく分かるけど、何分くらいかかるのかは、まったく
分からりません

ほろ酔いしている場合ではありません。
「珈琲かデザートでも?」
と笑顔のウェーターさんに、
「コンサートがー」
と叫び、わたしたちは店を後にしました。
生中1杯飲んだ後に、駅まで猛ダッシュです
しかも、最寄り駅のシュテファンスプラッツ駅ではなく、その1つ先の
カールスプラッツ駅へ(ザッハーの近くです)。
カールスプラッツ駅から1本の場所だったわけで…。

さて、コンサートには間に合ったのでしょうか?
モーツァルトの墓を見付けられなかった悪夢が一瞬頭をよぎりつつ…
わたしたちは、地下鉄に飛び乗ったのでした。

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