秘書室生活2日目に突入いたしました。
今日はいったいどんなことが桃子を待ち受けていることでしょう。
今日も多分、分からないことだらけ。そして、口に出せば、馬鹿に
されることだらけ。
それでも桃子は進んでいくのです。
そう、白旗の立派な社長秘書になるのです!!
どうか、桃子に力を貸してやってください。
何にも出やしませんが、感謝の気持ちだけは忘れないでいること
でしょう。
第17話翌日会社のパソコンがすごいことになっていた。
メールソフトを開けると、一晩のうちに100通以上のメールが来ている。
受信しっぱなしになっていた。
ふと一通のメールに目が留まった。
それは、海外からのもので、送信者の名前やタイトルなど読めなかった
けれど、送信日時が気になった。
現在時刻は、八時二十八分。
受信時間は、八時二十五分。
おい、これは、どこからだ?
読めるわけがないのに、桃子はメールを開いてみた。
一番下までたどり着くと、住所が書いてある。
Paris Franceと書かれている。
パリスフランセ。
桃子は、一度口に出して、ハッと口元を押さえた。
樹里に聞かれたら、それこそまた、馬鹿にされたところだ。
一度口に出してみると、自分の読み方が間違えていることに気付く。そ
れも経験だ。
パリスフランセは、フランスのパリだろう。
そんなことがあるのか?パリからのメールが、こんなに早く日本までや
ってくるのか?
時差だってあるというのに。
それとも、パリスフランセという地名が日本のどこかにあるのだろうか。
先ほどから、無心になってキーボードを打ち続けている樹里をまじまじ
と眺めた。
「あの…」
まだ、樹里以外に誰も来ていない今がチャンスだった。
手を止めることなく彼女が桃子のほうを向いた。
怖い…。
こっちを向いているのに、どうして、手はキーボードを普通に叩いてい
られるのだろう。
「なんですか?」
相変わらず、目は桃子と合っている。
「えっと、すみません。何でもないです」
彼女が一瞬だけ化け物に見えた。
「何ですか?分からないことがあったら、聞くのが一番ですよ」
ようやく手を止めて、イスごと桃子のほうへ向いた。
そうだな。
「聞くは一瞬の恥、聞かぬは一生の恥」という言葉もあるじゃないか。
いつか、たくさんの人の前で恥をかくよりは、樹里だけのほうが気が楽
だと思った。
「海外からたくさんメールが来てるんですよ」
桃子は、樹里の顔色を伺いながら、言ってみた。
「それは仕方ないですね。社長の秘書なんですから」
彼女は、ニコリともしないで続けて言う。
「分かっていますよ。花木さん、英語ニガテなんでしょ?」
そして、少しだけ笑った。
見下されたような気がして、桃子は腹立たしかった。
一言いわせてもらうと、「英語がニガテ」なのではなく、「英語が全く
分からない」の間違いだ。
そう言ったら、樹里は桃子を「見下す」どころではなく、呆れて何も言
わなくなるかもしれない。
そんなことより、そんなことを言うために声をかけたわけではない。
「フランスのパリからメールが来てるんです」
それを言うだけなのに、なんだか吐き出しそうな気分になった。
「メールって、そんなに早く着くものなんですか?」
樹里は、桃子の言葉が理解できないようだった。
首を傾げたきり、戻そうとしない。
「だから、日本とフランスって、けっこう離れてますよね。なのに、メ
ールがもう着てるんですよ」
樹里は、目を大きく見開いた。
「この受信時間が、八時二十五分ですよね。あたしがパソコンを開け
て、このメールが流れてきたのが、八時二十八分なんです。三分しか経
っていないんですよ?」
樹里は、まるで桃子が言葉の通じない人であるかのように、一言一言、
言葉を区切るように発した。
「は、な、き、さ、ん。あなた、パ、ソ、コ、ン、も、できないわけ?」
ここが会社でなく、飲み会の場なら、桃子は、
「それが、どうした?」
と開き直っていただろう。
しかし、ここは会社。声を荒げるような場所ではない。
「あ、ちょっと、メールのことは良く分からなくて」
と言い訳をしてみても、樹里の驚いた顔は戻らなかった。
-第18話へ続く-
2007/05/17(木) 12:10:32|
笑@会社
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これまで10ヶ国以上旅をし、1人旅などお手の物。
突然思い立ち、準備もあまりすることなく、パスポートと航空券を握り
締め、数日分だけの衣類をリュックに詰め込み、日本を飛び立つ。
英語圏以外の国?何とか通じるでしょ。
ホテル?捜せばあるでしょ。
下着や着るもの?足りなきゃ現地調達さ。これがわたしの旅の基本だったのでした。
なのに、なのに〜。
今回旅をして、それができなくなってきている自分に気付いてしまった
のです

なんとも寂しいことですが、これが現状。
言葉の不安を感じるのです

荷物は確実に多くなってます

飛行機落ちないか心配です

ちゃんとご飯食べれるのか(1番大事!)不安です

そんな不安を抱えつつも、海外に飛び出したい気持ちは常にあって、
今回も、「行きたいね〜」と言っていただけの話を、急遽まとめて
ウィーン&プラハに飛び立ちました。
ツアーに入ろうと思っていたのですが、突然のため、どのツアーに
も断られ、結局は自由旅行となったわけです。
今回一緒に行った友達は、前の会社で同僚だったCちゃん。
ポンポンと面白いことを言い、突然毒舌になり、あっさりさっぱり
で、のんびりやさん。わたしより2つ年下の女の子です。
渡航先をウィーン&プラハに決めたのは、2人ともピアノを習って
いて、音楽が好きだから。
ただそれだけの理由です。
現地の音楽に触れ、優雅な気分に浸りたい

ちょっとセレブにコンサートを鑑賞したい

さてさて、どんな旅になったのでしょうか…
2007/05/17(木) 12:00:45|
笑@会社
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