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No 398
Date 2007・01・31・Wed
芸能人タイプ診断自分に似たタイプの芸能人を診断してくれる占いサイトが
話題になっているということで、やってみました ![]() 生年月日や血液型を入力し、全く同じ結果になりやすい芸 能人が誰なのかを男女合計96通りに分類していて、運勢や 性格がよく似た芸能人が分かるというもの。 芸能人タイプ診断 わたしは、こんな結果になりました♪ あなたは・・・ 高島 彩 と同様なタイプです。 あやぱん、けっこう好きですよ。わたし。 その他に同様なタイプの方は・・・ 吉川ひなの、本上まなみ、京野ことみ、国仲涼子 の方々となりました。 このタイプの方が診断されやすい性格は・・・ ・とにかくオシャレには気をつかう。 →好きなものを好きなように着てるだけ。 ・プライドが高く、常にスマートに生きたいと思っている。 →自分の得意分野に関しちゃ、超ド級にプライド高し!? それ以外は、プライドほぼゼロと極端な人間 ![]() ・善か悪か、物事に必ず白黒を付けたがる。 →That's right!!曖昧なの大嫌い。 だからハッキリしない男の人は特に嫌い ![]() ・新製品などの新しいものには目が無い。 →ウンウン♪特にキッチンで使う電化製品ね。 ・思っていることや感情が表情に表れてしまう。 →表情どころか、ズバリ言うわよ(笑) ・周りに自分の感情を気取られると結構傷つきます。 →意外と繊細…。でもすぐ忘れてケロッ ![]() ・みんなと雑談をしている時に、自分の体験談を話したくなる。 →そうそう、いろいろ経験済だから ![]() ・飽きっぽく、すぐに新しいことに目が行く。 →むかしは、飽き性格付け第1位の女。 いまは長持ちだけど、新しいことに目がないのは健在。 ・誰にも八方美人な社交性を持っている。 →友人たちからは絶対営業マン向きと太鼓判。 判定率99%の実績 ![]() ・人に頼まれると断れない。 →Noと言えない日本人の典型 ![]() でも嫌いな人の頼みは、即断るかも…? となっています。 あ〜、ビックリ ![]() 100%の的中率 ![]() |
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No 390
Date 2007・01・31・Wed
ニック・バトル-第46話-主人公、柚木朝子、29歳。
諦めモードだった朝子の、最後の意地。 やらないで諦めるよりは、やってみる!! 若月さんへ宣戦布告。 幸希への愛情。湯河原への同情。大鳥女史との友情。 たくさんの情が渦巻いちゃってます。 どうする、わたし? どうなる、わたし? 第46話 「ゴメン。もうしないから」 幸希は、そう言った。 その光景は、一瞬にして、わたしの20年前の記憶を呼び起こした。 「悪かった。もうしない」 2度同じコトを言った父親に、母は「2度目はない」と言い放ち、 わたしたちは父とは別の場所で暮らすことになった。 わたしが小学生のときのことだった。 母は何も言わなかったし、わたしも何も聞かなかった。学校の帰 り道、ときどき父が母ではない女性と一緒にいるのを目撃したり、 夜になっても帰ってこない日があったこと。 だから、父はわたしたちよりその人のほうがいいんだということ を知って愕然とした。 嫌な記憶。奥底に閉じ込めていたはずなのに。 「1度は許してもいい。でも2度目はない」 母の言葉が蘇る。 父の浮気に比べれば、幸希が若月さんと2人で出かけたことなど、 たいしたことではないように思われた。 「分かった。じゃ、もういいよ」 まだ笑顔にはなれなかったけれど、本当にもういいと思うことに した。 そこからは、なるべく会社の話にならないようにした。 お互いにそのことは避けていたと思う。 思い出さないように。 平穏に。 この週末を乗り越える努力をしようと。 携帯電話が普及して、わたしが持つようになったのは、大学在学 中だった。いつでも気軽に、連絡が取れることに喜びを感じたの は、学生の頃だけだった。 社会人になると、それは土日に仕事に借り出されるための機械に なることもあった。 いまの世の中、外部との接触を絶つことは、難しい。海外にいて も、国内同様連絡が取れてしまう時代だ。 ペンションに着くと同時に、幸希の携帯電話が鳴った。 彼の携帯には、外側に小窓がなく、誰から電話がかかっているか は、折りたたみをあけなければ分からない。 画面を見て、幸希は、小さく「あっ」と言った。 横目でこちらを見たような気がする。 多分……ではなく、十中八九、若月さんからだと思った。 幸希は、電話を無視し続けた。音楽は、突然途切れて、静かにな る。そして、数秒も経たないうちに、再び軽快に音を立て始めた。 「出れば?」 幸希は首を横に振った。 何度も繰り返される音楽。 電源を切ろうと試みるものの、一瞬の隙を逃さないかのように、 再び鳴り始めるのだ。 わたしは、わざと大きなため息をついて、助手席で足を伸ばした。 いつまでこんなことをしているんだろう。 幸希は、8回目の着信でようやく電話に出た。 「何か用?」 冷たい口調。きっとわたしが一緒にいるからだろう。 受話器からは、何を言っているかは分からないけれど、若月さん らしき女性の声が聞こえてくる。 「ゴメン。朝子と軽井沢に旅行に来てるんだよね」 幸希が言った。 とたんに、先ほどまで聞こえてきた相手の声が聞こえなくなった。 幸希が、「うん」とか「あぁ」と、相槌を打つ声だけが、車中に 響く。 「なんだったの?」 わたしには、聞く権利があると思った。 その代わり、幸希にも答える義務はないことは分かっている。 でも、答えなければ、わたしが疑うことは、彼も承知しているだ ろう。 -第47話へ続く- |
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No 397
Date 2007・01・30・Tue
混んでるー!時々このブログにも書いている、甲府市国母の海鮮網焼
とれたて丸さん。 先週の土曜日、また食べに行ってきました!! ここは、本当に新鮮な魚介類が食べれて、美味しい ![]() なのに、何故かいつも空いているんです。 最初から最後まで、客がわたしたちを含めても2組とか…。 多くて3組とか…。 店内は、ガランとしています。 甲府って、人口の割には食べ物屋さんが多いんですよね〜。 でも、この日は、違いました。 車を止めるスペースもあとわずか ![]() 店内は、かなりの人!!活気があります(笑) いつもは、「お好きなところへどうぞ」と言われるのですが、 この日は、店員さんが案内してくれました ![]() 最近、冬にしては暖かいのですが、冬といったらやっぱり鍋! とれたて丸さんでは4種類の鍋があり、わたしたちはこれまでに 石狩鍋 きりたんぽ鍋 を食べています。 この日は、かに鍋を食すことに!! まずは、かにサラダ〜 ![]() かにの身がたくさん入っていました。 ここのサラダは、野菜も新鮮だし、ドレッシングも美味しいです。 そして、待望のかに鍋 ![]() これもまた、かにが、本当にたくさん入ってます。 この量で、¥2,800ですからね〜。安いです ![]() Tくんが、雑炊にするのに、かにの身を少し取っておこうと言う ので、足の細い部分の身を、残しておいて、最後に雑炊です。 ![]() 雑炊を作っている最中、どこからか焦げたような匂いが! 「きっと、どこかのテーブルで焼き魚しているんだね〜」 なんて、悠長なことを言っていたのですが、どうも匂いすぎる。 もしや… そう、わたしたちの雑炊の鍋が焦げていたのです ![]() でも、これが、吉と出ました! いい感じのおこげが出来ていて、なんとも言えず美味だったのです。 かにの身を取っておいたのは、大正解!! この日は、訳あって、ランチにラーメンを1杯半食べて、お腹 いっぱいだったのですが、もくもくと食べました♪ こうして、1kg減った体重は、瞬く間に1kg増えていくのでした ![]() でも、いーの。美味しかったから! 残るは、比内地鶏鍋♪ この冬の間に、絶対4鍋制覇したる〜〜 ![]() |
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No 389
Date 2007・01・30・Tue
ニック・バトル-第45話-主人公、柚木朝子、29歳。
諦めモードだった朝子の、最後の意地。 やらないで諦めるよりは、やってみる!! 若月さんへ宣戦布告。 幸希への愛情。湯河原への同情。大鳥女史との友情。 たくさんの情が渦巻いちゃってます。 どうする、わたし? どうなる、わたし? 第45話 幸希は、その後も何も言わずに車を走らせた。さきほどよりは、 少しスピードを落としたものの、途中サービスエリアに寄るこ ともなく、走っていた。 降ろしてもらったら帰れるだろうか。そう思った場所からは、 だいぶ遠ざかっていた。 ようやく車を止めたのは、高速に乗って1時間以上経ってからだ った。 車を降りると、久し振りに空気を吸ったかのように、解放された 気分になった。 それぞれ黙ったままトイレに行く。 だいたい、幸希のほうが早く出て、いつもトイレの前辺りをうろ ついている。 わたしは、いつもより長くトイレにいた。 子供だな。 先ほど幸希に喧嘩ごしになったことを思い出していた。もう少し 上手く聞けたのではないだろうか。 落ち着いて、冷静に。 そうしたら気まずくならずに済んだのに。 いや、でもあの場合は仕方がなかったのだ。もう一人の自分が頭 の中で囁いている。 幸希が、「わたしが若月さんに冷たくしている」なんて言わなけ れば、わたしだって、あんな言い方はしなかった。だからわたし は悪くないんだと。 とにかく、いまの無言の状態のままでいることをどうにかしない とならなかった。 涙を流したせいで、目は赤く、目の周囲も腫れていた。 途切れることなく、たくさんの人がトイレに入ってくる。 誰もが笑顔で、楽しそうだ。自分だけが、場違いなところにいる 感覚に襲われた。 トイレに入ってから10分以上経っただろうか。 何の解決策も考えることができないまま、外に出た。 幸希は、いつもそうするように、トイレの前で待っていた。 何も言わずに、建物のほうを指差す。サービスエリア内のカップ の珈琲を買うのだろう。わたしたちは2人とも、珈琲が好きだ。 案の定、自動販売機の前に立ち、コインを投入する。 ブラックで無糖の珈琲を先に買う。わたし用だ。幸希は、ブラッ クの珈琲が飲めない。 車に戻る。 珈琲が喉を通る音さえ聞こえそうな無音の世界。外は騒々しいは ずなのに、わたしの耳には、喧騒が入ってこなかった。 「悪かった」 ポツンと幸希がつぶやく。 「お前が知っているとは思わなかった」 余計なことを言わなければいいのに。そう思った。 知らなかったら、それで良かったかのような言い方に聞こえた。 多分、それを察知したのだろう。彼は、慌てて付け加えた。 「知らなきゃ良かったってわけじゃないよ」 そして、 「ただ、朝子を裏切るようなことはしてないつもり」 わたしは、このとき初めて、幸希と自分とはこんなにも考え方、 感じ方が違うのだということに気付いた。 「裏切るようなことをしていない」 「嘘」や「ドタキャン」は、裏切りではないというのだろうか。 幸希の言う裏切りは、「彼女とは何もしてない」ということの みに集約されているような気がする。 わたしは、ずっと黙っていた。何も言葉が見つからない。何か 口にすれば、それは言い合いの火種になるだけだろう。 -第46話へ続く- |
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No 388
Date 2007・01・29・Mon
ニック・バトル-第44話-主人公、柚木朝子、29歳。
諦めモードだった朝子の、最後の意地。 やらないで諦めるよりは、やってみる!! 若月さんへ宣戦布告。 幸希への愛情。湯河原への同情。大鳥女史との友情。 たくさんの情が渦巻いちゃってます。 どうする、わたし? どうなる、わたし? 第44話 自分が本当にどうしたいのか。 それが分からないまま、幸希との約束の週末を迎えた。 間際だったにもかかわらず、ペンションには空きがあった。 きっと、軽井沢に遊びに行くのには、少し季節外れなのかもし れない。 8時に迎えに来る約束。幸希は必ず5分前にはやってくる。 わたしは、それよりさらに5分早く、マンションの外に出ておく。 太陽の光に反射してまぶしいほどきれいに磨かれた車体。平日 ほとんど車に乗らない彼は、どこかへ出かけるとなると、それ は特別なことと思うらしく、必ず朝早くから洗車をするのだ。 車に乗り込んでしばらくは、以前軽井沢へ遊びに行った時の思 い出話しに花を咲かせた。楽しかったことだけが懐古されるの は、もうこの関係が終わりに近付いているからなのだろうか。 高速に乗るあたりで、いったん会話は途切れてしまった。密室 での沈黙は、息苦しかった。話題を探しても、見付からない。 聞きたいことはあるけれど、まだこの時点で聞くべきではない だろう。 もしこの旅が楽しければ、先延ばしにして、聞きそびれてしま っても構わないという思いもあった。 「朝子、若月さんに冷たくない?」 幸希はまっすぐ前を向いたまま、突然言った。 「昼飯の時間だって、若月さんが話しかけても無反応だし」 幸希の口から若月さんの話が出てくるのは、意外だった。 やましいことをしているという意識はないのだろうか。それと も、若月さんに対するわたしの態度が相当気に食わないのだろ うか。 ここで、ごまかして曖昧にするよりは、せっかくのチャンスな ので、言ってしまおう。 もしかしたら、軽井沢にはたどり着かないかもしれない。もう 二度と幸希と遊びに行くこともないかもしれない。 むかしの記憶が、一気に蘇って、そして消えていった。 「冷たいかもね。でも、好きで冷たくしてるわけじゃないよ」 「仕事取られたから?できる人に任せるのは、当然だろ?彼女 に冷たくすることはないんじゃない?」 大きな勘違いだ。悔しくなって、わたしは窓の外を眺めた。さ っきより、だいぶ早いスピードで景色が流れていく。 こんな話を、高速道路を走らせている最中にするべきではない。 「仕事のことだけだと思う?」 わたしは、まだ窓の外を眺めていた。 声は平静を装っていたけれど、実際には涙が数滴流れ落ちてい たのだ。 「それ以外に、何かあるほど時間も経ってないだろ?」 その言葉に、わたしの中で何かが切れてしまった。 「時間が経ってないうちに、若月さんと2回もお出かけするんだ ね。しかも、わたしとの約束をドタキャンして。それも接待だ なんて嘘までついて」 わたしは、まっすぐ前だけを見ている幸希を睨むような目つき で見た。 幸希は黙り込んでしまった。わたしがその事実を知っていたこ とに驚いたのか、それとも、言い訳を考えているのか分からな かった。 もう言いたいことはない。わたしも黙った。車のエンジンと風 を切る音が、異様に大きく耳に入ってくる。 もう軽井沢など、どうでも良くなっていた。 ここが、高速道路じゃなければ、どこかで止まった隙に、降り てしまうのにとさえ思っていた。 -第45話へ続く- |
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No 387
Date 2007・01・27・Sat
ニック・バトル-第43話-主人公、柚木朝子、29歳。
諦めモードだった朝子の、最後の意地。 やらないで諦めるよりは、やってみる!! 若月さんへ宣戦布告。 幸希への愛情。湯河原への同情。大鳥女史との友情。 たくさんの情が渦巻いちゃってます。 どうする、わたし? どうなる、わたし? 第43話 女史は、小さく頷いた。 「笑わないで」 笑わないよ。笑うところなんてどこにもないじゃん。 わたしは、彼女の目を見て頷き返した。 「もうずっと前の話。いまはちゃんと他にいるから。大丈夫。 でも、そんな風に言われて、ちょっと嬉しかったんだ」 はにかむような笑顔。 誰かと付き合って、その裏で誰かが悲しい思いをしているだろ うなと思ったことはあったけれど、実際にそういった人が、こ んなに身近にいたことを知ったのは、初めてだった。 仲間うちを好きになると、デメリットも大きい。 告白して、上手くいけばあまり問題は起こらないけれど、断ら れた場合、気まずくなる可能性がある。そうすると、なかなか 言えなかったりするものだ。 女史は、ずっと言えないまま、幸希への思いを抱えていたのだ ろう。 「そっか」 それ以外に、何を言えばよかったのか、思いつかなかった。 そして、それで充分だと思った。 一度頭の中を整理しないと、自分の周りで何が起こっているの かわからなくなってきた。 どうして、こうもいろいろなことが一度に起きるのだろう。 女史のことは、もう過ぎたことだから、わたしが気に病むこと はない。 けれど、女史がそのとき抱えていた思いを知って、何故だか心 が重くなった。わたしは、彼女を傷つけていなかっただろうか。 「朝子は、気にしそうだから言うの迷ったんだけど」 彼女は、続けて言った。 「朝子の幸希への気持ちには、わたしの気持ちも乗っかってい るんだから、頑張ってよ」 わたしは、床に座り込んだ。 最近、それがすっかり癖になってしまった。 重いのは、勘弁して欲しい。わたしの性に合わない。 とても大きな石が、急にのしかかってきたようだった。 「頑張るって言ってもね。何にどう頑張れば、いいのやら」 こんなふうに、気力を無くすことは、久し振りのことだった。 どのように、以前のような自分に回復したらいいのか、その術 が分からなくなっていた。 なんにでも必死になってきた自分。いつも好きなことを追いか けていた自分が、懐かしくなる。 欲しいもの。昔なら、手に入らないと、憂鬱な気分が胸いっぱ いに広がったものだ。 いまは、手に入らなければ、諦める。 何にも一生懸命になれない自分が、怖くなってきた。 若月さんに幸希を取られたら。 多分、悔しいし、腹立たしいだろう。 但し、それは、幸希に対する想いが報われなくなったからでは ないような気もした。 自分が手にしていたものを取られる屈辱と、自分にはなくなっ てしまった熱意を持っていることへの嫉妬のような感情かもし れない。 完全に行く先を見失いそうだった。 これ以上迷ってはいけない。 社内では禁止されている携帯電話。でも、この部屋なら誰にも 気付かれない。電波は、少し弱い状態で、かろうじてメールが 送れるかどうかというところだった。 「週末の行き先は、軽井沢がいいな」 幸希にメールを送る。 あえて、2人で初めて行った旅行先を選んでみた。 始まりも終わりも同じ場所。そんなつもりはないのだけれど。 -第44話へ続く- |
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No 386
Date 2007・01・26・Fri
ニック・バトル-第42話-主人公、柚木朝子、29歳。
諦めモードだった朝子の、最後の意地。 やらないで諦めるよりは、やってみる!! 若月さんへ宣戦布告。 幸希への愛情。湯河原への同情。大鳥女史との友情。 たくさんの情が渦巻いちゃってます。 どうする、わたし? どうなる、わたし? 第42話 若月さんがいなくて幸せなお昼。 と思ったのに、席に着くと、幸希がそわそわと、食堂の入口の ほうを何度も振り返る。 そして、隣に座ったわたしに、 「若月さんは?」 彼女が来ないだけで、こんなにそわそわしてしまうのかと思う と、わたしの胸はざわざわする。 「忙しいみたいよ」 そう答えてから、とってつけたように、 「湯河原もね」 と言ってみた。 お昼ごはんの会話は、大鳥女史の、 「皆で何しようか?」 から始まり、いつも通り、賑やかなランチの時間となった。 食堂から出る時、わたしは幸希に週末の旅行の返事をしようと 思っていた。 けれど、幸希は大鳥女史に何かを話しかけ、2人で立ち話を始め てしまった。 休憩時間は残り5分ほど。 その間に、歯を磨いたり、化粧直しをしたい。 幸希と話すのを諦めて、わたしは自分の事務所がある棟へ向か った。 恒例となった資料整理の仕事。 慣れた手つきで、ファイルを取り出し、古いものをシュレッダー にかけていく。 「あーあ、わたしの古い気持ちも、ずたずたに切り裂いてくれ たらいいのに」 誰もいないと分かっているので、誰かに話しかけるような声を 出してみる。 物事には、なんにでもタイミングがある。 このとき、タイミング悪く、資料保管室のドアが開いた。 シュレッダーは、入口近くにあり、わたしの大きな独り言も聞 こえたかもしれない。 顔を上げる。 「ついに独り言を言うようになったか」 入ってきたのは、大鳥女史だった。 仕事中に、女史が会社の中を徘徊するのは珍しかった。 役員室勤務の彼女は、会社の役員たちの、言わばお世話係のよ うなもので、そうそう席を立つことができない。 「専務がちょっとした用事で外出してね。1時間ほどヒマがで きたの」 女史は、笑顔になった。 多分、いままでにも、仕事中にヒマになったことがあっただろ う。それでも、昔の女史なら役員室で、何かをしながら待機し ていたに違いない。 「さっきね」 女史は、顔を赤らめながら言う。 「幸希がね」 昼休みが終わる頃、2人で何か話していたことだろうか。 「すごくいい感じになったねって、言ってくれたんだ」 嬉しそうな顔をした。 幸希は、そういうことをきちんと口にだしてくれる人だ。 だから、幸希を好きになる女の子は多い。 だから……。 あることにふと気付いた。 以前、大鳥女史は、「昔好きな人がいた」と言っていた。 「でも、彼女ができたから諦めた」と言っていた。 女史の嬉しそうな顔。赤すぎる頬。 「もしかして、大鳥女史、幸希のこと……」 わたしは、咄嗟に口に出していた。 -第43話へ続く- |
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No 385
Date 2007・01・25・Thu
ニック・バトル-第41話-主人公、柚木朝子、29歳。
諦めモードだった朝子の、最後の意地。 やらないで諦めるよりは、やってみる!! 若月さんへ宣戦布告。 幸希への愛情。湯河原への同情。大鳥女史との友情。 たくさんの情が渦巻いちゃってます。 どうする、わたし? どうなる、わたし? 第41話 幸希は、社長や専務など上層部のお気に入りだ。どうしてだか、 何もかも上手くやる術を知っている。同期の中では1番出世が期 待できる奴である。 そんな彼に付き合って、わたしは何度か社長たちとも食事をした ことがある。 社内にいても、めったに会えない人物。 優秀なエンジニアの上、経営能力も抜群にあり、会社を大きくし てきたのが、現社長。 そんな人と面と向かって、食事をするのに、わたしはいつも緊張 していたが、幸希はまるで友達と接するかのように気楽でいた。 何をやるにも、人から反感を買わないような方法を取る。 そして、相談すれば、いつも親身になってくれるし、時には厳し い口調で、ズバリと意見する。 そんなところが、人望も厚い。同期の中でもリーダー格で、いつ だって、中心には彼がいる。 わたしは、そんな幸希が好きだった。皆に分け隔てなく同じよう に接して、誰とでも仲良くできる彼。 だけど、それは時と場合によっては違うニュアンスを持つ。 お昼休み、食堂へ向かうのが随分と早くなった。 お昼のチャイムと同時に、オフィスを出る。国際課にいたときは、 ありえなかったことだ。今日も、国際課の人たちは、海外との対 応に追われている。 左横に座る若月さんも、顎に受話器を挟み、仕事が終わる様子は ない。流暢な英語。わたしより、若月さんのほうが役立つのは誰 が見たって、分かることだった。 立ち上がろうとすると、 「朝子」 と声がかかる。 若月さんだ。だから、朝子って気軽に呼ぶなって。 振り向くと、若月さんは受話器を手で押えて言った。 「ゴメン、今日お昼ここで食べる。皆にも言っておいて」 片手を挙げた。そして、デスクの1番大きい引き出しを引っ張り、 茶色い紙袋を広げる。中のものを一気に取り出す。 その間にも、早口で英語を喋っている。 出てきたのは、ラップにくるまれたサンドウィッチ、ヨーグルト、 リンゴ丸ごと1個とバナナ。 まずは、バナナの皮をむき、電話中だというのに食べ始めた。 「自由だ」 隣で、荒木さんが笑っていた。 誰もが、驚いた顔で、若月さんを眺めている。 わたしが食堂へ向かうのに、オフィスの出口に向かっていくと、 湯河原が追いかけてきた。 「今日、若月さんどうしたの?」 一度、彼女がいるほうを振り向いて、 「仕事、忙しいんじゃない?お昼、来ないって。ゴメンだって」 「ゴメン」って言われてもねぇ。別に、来てほしくないから謝ら なくっていいんだけど! って、湯河原の前じゃ、言わないけど。 湯河原は、席に戻っていった。 アイツ…。絶好のチャンスと思ったに違いない。 食堂へ行っても、いつも離れた席にしか座れず、会話を交わすこ とすらできない。 でも、お昼休みにオフィスにいるなら、少しは話ができるチャン スも生まれるかもしれない。 戻っていく湯河原の背中に、エールを送る。 「男だろ?頑張って!!」 湯河原の幸せは、わたしの幸せにもつながる。 決して、人頼りというわけではないけれど、彼にも期待をしてし まうのであった。 -第42話へ続く- |
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No 384
Date 2007・01・24・Wed
ニック・バトル-第40話-主人公、柚木朝子、29歳。
ひょんなことから、キャリアウーマン一直線と思われていた 大鳥女史と仲良くなった朝子。 ライバル若月さんには、仕事を乗っ取られた上に、彼氏まで 奪われそうな気配。 女史とタッグを組んで、どっちも奪回できるのか? それとも…。 どうする、わたし? どうなる、わたし? 第40話 ドアが開かない。 いつもどこへでかけるにも、かなり時間に余裕を持っているわ たし。まだ大丈夫なんだけど、ギリギリになって、電車に飛び 乗るのだけは勘弁だ。 少し力を強くして、体全身でドアにぶつかっていく。 少しだけあいたところで、人間の手が見えた。 一瞬ひやっとしたが、何のことはなかった。 左手に光るプラチナの指輪。2年ほど前、幸希がわたしにプレゼ ントしてくれた指輪のペアジュエリーだ。 幸希は、帰ったわけではなく、ただ地べたに座り込んでいただ けだった。 呼びかけても返事がない。まさか、何かあって意識不明? ここまで運で生きてきた男も、いよいよ見放されたか? いや、そんな大げさなことは起こっていないはず。きっと寝て いるだけなのだ。 じりじりと、ドアを外側に押していく。そして、ようやく腕が 通るくらいまで開いたところで、幸希の手をはたく。 ここまでする前に、普通なら気付くだろうに。 「あぁ、ケツ痛い。冷えた」 などと言う。たったいま、目が覚めたらしい。 疲れた。 会社に着いたときには、もうくたくただった。 幸希は、昨日のドタキャンをしきりに謝り、機嫌を取ろうと、 週末に小旅行に誘ってきた。 わたしは、 「行けるか分からない」 と返事をして、逃げるようにロッカールームに駆け込んだ。 「おはよう。朝子にしちゃ、遅いね」 ロッカールームには、大鳥女史がいた。 そういえば、7年も勤めていて、ロッカールームで誰かと会う のは稀だった。わたしは、いつも始業時間よりかなり早く来て いるからだ。 「あのね、朝子」 大鳥さんが、ストッキングをつま先まで、クシュクシュと手繰 り寄せながら言う。眉根を寄せて、深刻そうな顔。 それは、ストッキングと格闘しているからではなかった。 「迷っていたけど、言う」 わたしは、まだ上着をハンガーにかけるところだった。 ロッカーについている鏡で、上着を脱いだ時に跳ね上がった髪 を手で整える。 「幸希、昨日、若月さんと出かけてたよ」 絡まった髪の中で、指が止まる。 わたしがもうこれ以上先へ進めないかのように、絡まった髪の 毛は解けなかった。 幸希は、どういうつもりでいるのだろう。 これ以上、黙って見ていれば、多分彼はわたしから離れていく。 最悪な状況が目に浮かぶ。 もし、幸希を失いたくないのであれば、いま行動するしかない。 幸希が誘ってくれた小旅行。 これが、チャンスかもしれない。 接待だと偽って、若月さんと出かけていたこと。 それを冷静に問いただせる自信はない。 「落ち着け」 自分に言い聞かせるように、もう一度鏡を覗いた。 -第41話へ続く- |
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No 383
Date 2007・01・23・Tue
ニック・バトル-第39話-主人公、柚木朝子、29歳。
ひょんなことから、キャリアウーマン一直線と思われていた 大鳥女史と仲良くなった朝子。 ライバル若月さんには、仕事を乗っ取られた上に、彼氏まで 奪われそうな気配。 女史とタッグを組んで、どっちも奪回できるのか? それとも…。 どうする、わたし? どうなる、わたし? 第39話 わたしのスッピンや寝癖のついた髪など、いつも見ているから 気にしないと言った幸希に、わたしは、 「わたしは気にするから」 と、一喝した。 わたしは、一度言ったことは取り消さないというほど意思が固 い人間ではないけれど、今回だけは勘弁して欲しかった。 だって、気持ちも整ってないし。この大量の食べ物を見られた くなかった。 「また何か作った?」 こいつは知っている。 ストレスが過度にかかってくると、わたしが大量の食事を作る こと。 以前、仕事でストレスが溜まった時に、同じことをし、たまた ま訪ねてきた幸希は、その光景を見て、驚いていた。そして、 驚きの後、わたしが理由を話すと、大笑いをしたのだ。 「もう、笑わないから」 そんなんじゃないっつーの。 「お願いだから帰って」 もう目はパッチリと覚めていた。 部屋に引き戻り、背伸びをする。ずり落ちそうになっている掛 け布団を、きれいにベッドに戻す。 顔を洗うと、ますます目が冴える。 まだ幸希は、いるのだろうか。 忍び足で玄関に近付き、小窓から様子を伺ってみる。 誰も見えなかった。 耳を澄ましても、何の音も聞こえてこない。まだ6時になる頃。 この時間で、物音を立てる人は、そうそういないだろう。 いると分かれば気にもなるが、いないとなれば、気分がすっき りする。テレビをつけて、お弁当を詰めてみる。 全て主食のお弁当は、たんぱく質だらけで、まるで, 「太りたいです」 と言っているようにみえる。 ストレスが溜まると、いつもこうだ。 朝のニュースは、お客さんとの会話の中で必要な場面が出てく るので、画面は見ずとも、音声だけでも必ず聞くようにしてい る。よく、こんなに毎日事件のニュースがあるものだ。 そう思うほど、殺人事件などのニュースが繰り返される。 いつからこんな世の中になったんだっけ? 毎日のように、誰かが亡くなっていくなか、自分はこうして生 きている。健康で、ご飯も食べれて、仕事もしてる。 それ以上に、望むことがあるんだろうか。 欲望など持たず、もっとシンプルに生きたほうがいいのではな いか。 残酷なニュースを見るたびに、生きているだけで幸せなのに、 落ち込んでいる自分が嫌になる。 でも、生きているからこそ、希望や欲望も膨らむというものだ。 考えるのはやめにしよう。 今日もできることを精一杯やるだけだ。 詰め終わったお弁当箱を見て、笑がこみ上げてくる。 パエリアとパスタのお弁当。 スペインとイタリアの融合。 最高じゃん。 -第40話へ続く- |
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No 382
Date 2007・01・22・Mon
ニック・バトル-第38話-主人公、柚木朝子、29歳。
ひょんなことから、キャリアウーマン一直線と思われていた 大鳥女史と仲良くなった朝子。 ライバル若月さんには、仕事を乗っ取られた上に、彼氏まで 奪われそうな気配。 女史とタッグを組んで、どっちも奪回できるのか? それとも…。 どうする、わたし? どうなる、わたし? 第38話 例えば、軽い嫌なことがあった場合、誰かに話を聞いてもらい、 ストレス解消をする。 でも、重度の嫌なことがあった時、わたしは、誰とも話をしたく なくなってしまう。 誰かに話したところで、解決できるわけでもなく、話すことでス トレスを倍増させてしまう可能性が大きいからだ。 接待を忘れていた。 幸希にとって、それは珍しいことではなかった。 あの男は、かなり強運の持ち主で、のらりくらりとしている割に は、上司からの評判が良い。 誘いが多く、平日の半分以上は、管理職と一緒の食事に出かけて いる。 それなのに、スケジュール帳に書き込んで、管理することがない。 予定を忘れたり、間違えたりするのは当然だった。 わたしは、食べきれないほどの料理を作った。 同期を半分くらい招待してもいいほどの量だった。 もちろん全部食べるわけではない。 わたしの唯一のストレス解消方法は、料理をすることなのだ。 組み合わせも何も考えず、カレーやパスタ、ドリアにパエリア等 手っ取り早く作っていく。 なんてことだろう。主食ばかりだ。 テーブルいっぱいにお皿を並べて、満足げに眺めた。 取り柄といえるほど、上手なわけではない。 それでも、好きなことがあってよかったと思う。 ときどき、無趣味な人に出会うと、この人はいったい何をしてい るときが楽しいのだろうと思ってしまう。時間をもてあました時、 することがあることは幸せだった。 「さてさて」 ガーデニング用の短いエプロンのポケットに手を突っ込んで、独 り言をつぶやく。 「次は、スイーツ」 動いていないと、すぐに深みにはまりそうなほど、心の奥底がも やもやしている。 この日、誰も食べやしないのに、わたしの部屋は食べ物でいっぱ いになっていた。 明けて翌日。 朝早くに、チャイムが鳴り響く。 眠い目をこすりながら、片目だけを開けて、携帯電話を手に取る。 毎日、6時半に電源が入るようにセットしているが、まだ黒い画面 のままであるところを見ると、6時半前のようだ。 いったい、こんな時間に誰が訪問してくるというのだろう。 ときどき、ドアをコツコツとたたく音を交えながら、いったん静 まったかと思うと、また高らかにチャイムが鳴り響く。 決して朝が強いほうではない。起き上がって、頭に手をやる。 酷い髪だ。 夕べは、お風呂から上がって、半乾きの状態のまま寝てしまった。 髪の毛は、あらゆる方向を向いて飛び跳ねている。 「はい」 小さな声で返事をして、ドアについている小窓を覗く。 幸希だった。 なんだってこんな時間にやってくるのだろう。 普通の神経では考えられない。 幸希の家からわたしのマンションまでは電車で30分はかかる。 現在の時刻、5時40分。 「なに?」 ドア越しに、低い声を出した。 「怒ってる?なぁ、とりあえず開けてよ」 なんて勝手なんだろう。 こっちは、髪はボサボサ、パジャマのまま。 化粧もしていないし、おまけに部屋は、昨日作った食べ物で埋め 尽くされている。 「ムリだよ。帰って」 勝手に来たんだもん。しかも、こんな時間に。常識では考えられ ないでしょ? それとも、わたしって、冷たい? -第39話へ続く- |
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No 381
Date 2007・01・20・Sat
ニック・バトル-第37話-主人公、柚木朝子、29歳。
ひょんなことから、キャリアウーマン一直線と思われていた 大鳥女史と仲良くなった朝子。 ライバル若月さんには、仕事を乗っ取られた上に、彼氏まで 奪われそうな気配。 女史とタッグを組んで、どっちも奪回できるのか? それとも…。 どうする、わたし? どうなる、わたし? 第37話 わたしの言葉によほど棘があったのか、幸希が眉をひそめて こちらを見た。一瞬だけ目が合って、どうしていいか戸惑う。 「ねぇ、朝子。今度ね……」 右側から、大鳥女史がわたしを引っ張る。 怪しい雰囲気を察して、助け舟を出してくれた。 こんな風に動いてくれるところ。女史が人の気持ちに鈍感で はないことが分かる。 「皆でどこか遊びに行かない?」 女史が楽しそうに、張り切った声を出したので、わたしの時 とは違った意味で、その場が凍りつく。 そうだろうな。いままでの女史からは想像つかないもん。 そして、こんなに良い雰囲気になったのを知っていたのもわ たしだけ。皆が驚くのも無理はない。 幸希の顔が少し緩んだ。 「そうだな。最近、何にもしてなかったし、若月さんも来た ことだし」 またしても、若月さんから遠く離れたところしか陣取れなかっ た湯河原の顔も、笑顔になっていた。 この日、幸希は、わたしを夜ご飯に誘ってきた。 先週に引き続き、平日の夜に会うことになると、週末の予定が なくなってしまいそうだった。 それに、まだ幸希へのわだかまりは溶けていない。 午後の半日中、行くべきかどうするか迷った。 最終的に、決定したのは定時を少し回った頃。 幸希の内線番号3312に電話をかける。 「行くよ」 待ち合わせは、7時。 定時ですぐに仕事が終わってしまったわたしは、会社の近くに ある本屋に寄った。何か買いたかったわけではない。 なんとなく、暇をつぶすには本屋が適していた。 夢中になれるものもなく、足は、併設されているカフェへ向い ていた。 何もすることがないと、余計なことを考えてしまう。 夕方のカフェは、騒々しい。 バッグの中に入れていた携帯電話のメール着信に気付いたのは、 トイレに立った時だった。 携帯電話の着信音。 大きい音が鳴るのが嫌で、自宅にいても、音量は小さめにして いる。こんなざわめきの中では、聞こえなくても当然だった。 「ごめん、今日接待だったの忘れてた。埋め合わせは必ずする。 本当にごめん」 まだ後にも文章がつながっていた。 見るのも嫌だった。 着信も何度かしていたようだ。メール到着の時とは違うランプ の色が点滅している。 席に戻って、珈琲を一気に飲み干した。 それほど暑いわけではないのに、体中が熱くなるのを感じた。 多分、高潮して頬も赤くなっているだろう。 「もう、やめたら?」 そんな声が、頭の中に響いている。 誰の声?わたし? -第38話へ続く- |
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No 380
Date 2007・01・19・Fri
ニック・バトル-第36話-主人公、柚木朝子、29歳。
ひょんなことから、キャリアウーマン一直線と思われていた 大鳥女史と仲良くなった朝子。 ライバル若月さんには、仕事を乗っ取られた上に、彼氏まで 奪われそうな気配。 女史とタッグを組んで、どっちも奪回できるのか? それとも…。 どうする、わたし? どうなる、わたし? 第36話 朝だというのに、わたしたちは、すっかりくつろいでいた。 国際課は、いつ、どんな時でも忙しいのに、荒木さんがわたし と一緒に、資料保管室にいられる理由。 それは、彼女がわたしを励ますために、わざわざ午前中半休を 取ってくれたからだった。 資料保管室は、皆がいるオフィスからは追いやられたところに あるので、誰にも見付からずにここに来れるというわけだ。 お休みを取っているのに、こうして会社にいることはイケナイ ことではないけれど、なぜ仕事を休むんだ?といわれても答え に困る。 特に、国際課は簡単に休める部署ではない。 それなのに、こうして時間を取ってくれたことが、嬉しかった。 1時間ほどして、お菓子の残骸を手に、荒木さんは部屋を出て 行った。 たわいもない話。でも、わたしには必要だった時間。 午前中の3時間半だけでも、1度も人と話さないことは辛い。 1時間もぐうたらしている間、誰一人この部屋に入ってこなかっ たのが、恐ろしく感じられる。 気が遠くなりそうなほど長い時間。子供の頃のように、いつま でも夏休みが続く感覚と同じ気分に襲われる。 若月さんの出現で、仕事は完全にダメな方向に向かった。 幸希とのことも、行っては欲しくない方向へ向かっている。 その代わりに、得たものがある。 大鳥女史との友情だ。 どっちが大切?自問自答してみる。 仕事は、努力すればまた大きく羽ばたけるチャンスが出てくる と思う。 幸希とのこと。いまは正直悔しいし、やるせない気持ちが漂っ ている。ただ、もしもこのまま幸希を失ったとしても、男は他 にもいる。 じゃ、女の友情って?これって、大人になってからは、あまり 手に入らないものじゃないだろうか。 実際、社会人になってから、新しい友達は、それほど増えてい ない。 合コンなどで知り合った男の人とは、友達になることもあるけ れど、同じ合コンに知らない女の子が来ていても、その人と仲 良くなることはない。 大鳥女史と仲良くなったこと。 これは、他の何かには変えがたい出来事だった。 この日、わたしは、意を決して食堂へ向かった。 わたしがいつも座っていた場所は、大鳥女史が守ってくれてい て、何とか空いていた。 「来ると思ってたよ」 会社で見る、彼女の初めての笑顔。 「ただ、向こう隣は気をつけな」 女史が、顎を使って指し示した席には、茶色い紙袋が無造作に 置かれている。 幸希を挟んで、若月さんとわたし。 やりにくいっ。 「休んでると、どんどん侵食されるよ。そのうち、ここの席が 危なくなる」 わたしが座っているイスを、コツコツと叩く。 そんな状況でも、わたしは、笑顔になってしまう。 たったの数日で、彼女がこんなに素敵な笑い顔を見せるように なったことが、嬉しいのだ。 幸希が定食のお盆を持って席に着いた。 その直後に、若月さんが鮮やかな色をしたジュースの瓶を片手 に持って、紙袋の置かれた席に座った。 「おぅ、朝子」 髪を軽く撫でるのは、彼特有の挨拶だ。 「朝子、久し振り」 幸希の向こう側から、若月さんが、ぴょこんと顔を出す。 あ゛?誰が、朝子と呼んでいいと? お久し振りというより、あんたとは、「初めまして」改め、 「3度目まして」くらいなんだよ! と、心の中では毒づいていても、皆の前では笑顔を絶やさない わたし。 「2度目ましてー」 まだあなたとは2回くらいしか会ってないのよ。 だから、気軽に名前で呼ばないでね。 ということをアピールしたつもりだけど、どうでしょう? 言った自分の周りに、ヒヤッと冷たい空気が流れたような気が した。 -第37話へ続く- |
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No 379
Date 2007・01・18・Thu
ニック・バトル-第35話-主人公、柚木朝子、29歳。
ひょんなことから、キャリアウーマン一直線と思われていた 大鳥女史と仲良くなった朝子。 ライバル若月さんには、仕事を乗っ取られた上に、彼氏まで 奪われそうな気配。 女史とタッグを組んで、どっちも奪回できるのか? それとも…。 どうする、わたし? どうなる、わたし? 第35話 国内課の朝は、しまりがない。 他の部署では行なわれている朝礼もない。 なんとなく、隣近所で朝の挨拶をして、いつの間にか仕事が始 まっている。 まだ国際課の中に席があるわたしは、こちらで行われる朝礼の 間、一人でデスクに座っているわけにもいかず、始業前に席を 立った。 猿渡課長に、 「資料保管室に行ってきます」 と一言告げる。 課長は、あまり関心がなさそうに、頷くだけだ。 気にしないことにしよう。 総務の有田課長のところへ出向き、鍵を借りる。 この時間は、まだ誰もあの場所へ入ってはいないだろう。 「柚木さん、大変だけど、頑張って」 3年ほど前まで総務にいて、寿退社した同期と仲が良かったので、 有田課長とも親しい間柄にある。 「頑張ります」 眼球の上に、うっすら涙が滲んできた。 それを悟られまいと、踵を返して、資料保管室へ向かった。 真っ暗な部屋。 電気を点けると、薄暗い光の中、細かい埃が雪が舞うかのように 飛び交っている。 どうにかなるわけではないのに、手を振り回して、自分の歩いて いく道の埃を両脇に追いやる。 「朝ちゃん、大丈夫?」 突然背後から声がした。 両手をあちこちに振り回し、後ろから見たら、まるで阿波踊りで も踊っているかのように見えただろう。国内課に移って、気でも 狂ったかと思われただろうか。 振り向くと、荒木さんが立っていた。 「差し入れ」 わたしたちは、冷たいフロアの上に、足を投げ出して座っていた。 「そんな格好……」 最初、荒木さんはわたしがそうしたことをたしなめたけれど、い まは同じように座っている。 小ぶりの紙袋の中を覗くと、お菓子がたくさん入っている。 「こんなことしかできなくて、ごめんね」 わたしが、まだ紙袋の中を見ていると、 「それと、この前は、変なこと言ってごめん」 と続けた。 この前の、変なこと。 それは、国内課へ移動になったわたしに、荒木さんが何の気なし に、言った言葉のことだろう。 「国内課いいな」 わたしにとっては、国内課への移動は左遷と同じだった。 荒木さんに悪気があったのではないことは分かるけれど、その時 は、腹立たしくて仕方なかった。 「いいですよ。別に。わたし、けっこうこういう仕事合ってるか もしれないし」 実際、そんなはずはなかった。 こんな仕事まっぴらだった。 戻れるものなら、国際課に戻りたいという気持ちは、まだ強く 持っている。けれど、先輩に心配をかけたくなかった。彼女は、 入社した時からずっと、わたしの面倒をよく見てくれた人だか らだ。 「朝ちゃん、でも」 荒木さんは、何か言いたそうだった。わたしは、それを遮った。 ここで何か言っても、何も変わらないのだ。 だったら、生産性のない話はしないほうがいい。 わざと大きな音を立てて、紙袋の中のお菓子を取り出した。 -第36話へ続く- |
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No 378
Date 2007・01・17・Wed
ニック・バトル-第34話-主人公、柚木朝子、29歳。
ひょんなことから、キャリアウーマン一直線と思われていた 大鳥女史と仲良くなった朝子。 ライバル若月さんには、仕事を乗っ取られた上に、彼氏まで 奪われそうな気配。 女史とタッグを組んで、どっちも奪回できるのか? それとも…。 どうする、わたし? どうなる、わたし? 第34話 ズル休みをすると、翌日会社に行くのが妙にためらわれる。 誰かに見破られやしないかと、心配になってしまう。 わたしは、こうして時々小心者になる。 会社に到着し、制服に着替えて、いつものように気合を入れる。 今日も一日資料保管室の中で仕事かと思うと、憂鬱な気分にも なる。けれど、あの部屋にいるからこそ、自分がこれからどう したらいいかをゆっくり考えることができるとすれば、それも ラッキーなのかもしれない。 だから、決してマイナスなことではないのだ。 これまで7年間、ひた走ってきた。 それを見つめなおす時が、来たんだと思うことにした。 事務所に入って、自分の席を目指す。 入口から見ても分かる。 誰かが、わたしの席に座っていた。 わたしの席は、入口を背にしているので、誰かは分からないは ずだ。 それでも、わたしには分かってしまった。 幸希だ。後姿で分かる。 再三に渡って無視し続けたので、話をするにはこうするしかな かったのかもしれない。 行くしかない。自分の席なのだ。 始業時間までどこかに隠れるなんてバカバカしい。 わたしは、ゆっくり近付いていった。 遠慮がちに、斜め後ろに立った。 幸希は、こちらを向こうとはしなかった。相当怒っているのだ ろうか。少しデスクに近付いて、真横に立ってみる。それでも こちらを見ようとはしない。かたく目を閉じたまま、微動だに しなかった。 人が近付けば、目を閉じていても、気配で気付くだろうに。 「幸希」 名前を呼ぶと、頭が一瞬ゆっくりと揺れた。 「バカじゃん」 幸希は、片手で顔を支え、眠っていたのだ。 顔を近づけると、軽い寝息が聞こえてくる。 わたしは、いつも遅刻すれすれの荒木さんの席に座って、もう 一度名前を呼んだ。 目を覚ました彼は、一瞬自分がどこにいるのか、分からないよ うで、辺りを見回す。 そして、わたしを見ても、普通だった。 「おぉ、朝子。久し振りっぽいね」 わたしが電話に出ないことも、メールの返信をしなかったこと も、幸希は口には出さなかった。何事もなかったかのように、 わたしがいなかった昨日の出来事を話し始める。 何も聞かない。 それは、安堵と不安をもたらした。 湯河原から聞いた、「幸希が心配していた」という言葉は、 多分、湯河原が用意していた言葉だろう。 幸希は、心配していたり、何があったか聞きたいときは、必ず 自分の言葉で伝えてくる。 昨日電話に出ておけば良かったのか、メールに返信していれば 良かったのか。 その態度から、幸希が自分のほうへ向いていない雰囲気を感じ 取ってしまった。 -第35話へ続く- |
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No 376
Date 2007・01・16・Tue
ニック・バトル-第33話-主人公、柚木朝子、29歳。
ひょんなことから、キャリアウーマン一直線と思われていた 大鳥女史と仲良くなった朝子。 ライバル若月さんには、仕事を乗っ取られた上に、彼氏まで 奪われそうな気配。 女史とタッグを組んで、どっちも奪回できるのか? それとも…。 どうする、わたし? どうなる、わたし? 第33話 わたしの周りは、なんて、恋愛に疎い人だらけなのだろう。 いやいや、訂正しよう。わたしも含めてという表現に。 湯河原は、まだ出会って間もない若月さんを本当に好きに なったようだった。 話をしたこともなく、どんな人間かということも知らなく て人を好きになるということが、わたしには理解できない。 「かっこいい」とか「好み」っていうのはあるけれど、だ から好きかといったら話は別だ。 顔だけで好きになるのは、かなりのリスクが伴う。 性格を知れば知るほど、嫌になる確率が高いだろうと思う。 だから、わたしはまず性格を知ろうとする。 そりゃ、顔の好みもあるから、間違いなく容姿も加味する けれど。 「顔だけで好きになるなんて、子供じゃないんだから」 説教するつもりもないけれど、ついつい口が滑る。 「もっとよく相手を知ることだよ」 そう言うと、湯河原は素直に頷いていた。 わたしだって、若月さんと会話を交わしたことはほとんど ない。だから、想像でしか言えないけれど、もし湯河原と 付き合うことになったとしても、彼が疲れてしまうだろう と思った。 背は小さく、痩せすぎな体型。 赤ちゃんのように、肌は白く、きれいだ。 仕事はできる。 経理部の中でも、数字の湯河原と言われている。 天職に就いたと思う。 どことなく気弱な面があり、女の子には優しいけれど、そ の優しさを利用されそうな雰囲気もある。 「朝子、何か企画してよ。飲み会とか、遊びに行くとか。 俺たちって、最近外で遊ばなくなったよね」 そう言われれば、その通りだった。 2、3年前までは、何かというと、皆で集まって遊んだ。 それが、1人が結婚したのを機に、集まりは少なくなって いき、今では年に数回、世間のイベントにあわせるかのよ うな飲み会しかしなくなった。 最初のうちは、年を重ねることが、とてもつまらなくなる ように思えてならなかった。 でも、そうじゃない。 30歳を目前にして、わたしの考え方は変わった。 つまらないのではなくて、わたしたちは、新しい世界を築 く年齢になってきているのだ。 この先の、40代、50代をどう迎えるかは、いま現在をどう 過ごすかによって、大きく変わるように思われた。 「幸希に言ってみて。宴会部長だからさ」 面倒臭そうに返事をしたのに、湯河原は頬を高潮させ喜ん でいる。 いま集まれる同期の中で、何かを企画するのは、たいてい、 幸希かわたしだった。 どちらかというと、若月さんに同期の集まりに来て欲しく ないわたし。 そして、どちらかというと、幸希に来て欲しくないだろう 湯河原。 いっそのこと、わたしと湯河原が付き合えば、問題解決? って、簡単な話だったらいいのになぁ。 -第34話へ続く- |
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No 375
Date 2007・01・15・Mon
ニック・バトル-第32話-主人公、柚木朝子、29歳。
ひょんなことから、キャリアウーマン一直線と思われていた 大鳥女史と仲良くなった朝子。 ライバル若月さんには、仕事を乗っ取られた上に、彼氏まで 奪われそうな気配。 女史とタッグを組んで、どっちも奪回できるのか? それとも…。 どうする、わたし? どうなる、わたし? 第32話 女史は、自分の過去を清算するために、大量の涙を流した。 わたしは、昨晩彼女がしてくれたように、その間中ずっと、 背中をさすっていた。 「とにかく、明日からまた頑張ろう」 目の腫れは、完全には引いていなかったけれど、そう言った 彼女の顔は、清々しかった。 握手をし、女史が帰っていった後、我が家に珍客が訪れた。 「ど、どうしたの?」 思わずドモルのも無理のない相手が、相変わらず寝癖のついた 髪で、突っ立っている。 湯河原だ。 「どうしたのって、こっちの台詞なんだけどね」 話が長くなりそうな顔つきだ。 わたしは、彼を中へ招いた。 「今日、どうしたの?幸希心配してたよ」 2人掛けのソファの片側のさらに端っこに、遠慮がちに座る。 わたしは、散々飲んだ珈琲を新たに淹れなおすために、キッ チンへ向かう。 「具合が悪かったってわけじゃなさそうだね」 カウンター越しに、ソファに座った湯河原と目が合った。 「幸希、かなり心配してたよ」 わたしは、声を出さずに、少しだけ微笑んでみた。 言うことは何もなかった。湯河原は、何も知らないのだ。 あえて、話す必要もなかったし、幸希と若月さんが2人で出か けていたと知ったら、彼自身も傷ついてしまうだろう。 知らないほうがいいこともある。 淹れたての珈琲を湯河原の前に置く。 彼は、鼻をすすった。 「いい香りでしょ?」 わたしはようやく口を開いた。 湯河原は、それには応えないで、部屋を見回している。 珈琲を飲むときの喉の音さえ聞こえるほど、静かな時間が続く。 こんな時の1分は、5倍にも10倍にも感じられる。 「なぁ」 突然湯河原が口を開いた。 「仕事どうするの?」 わたしの反応が薄かったからか、彼は敢えて幸希の話題を避け たようだった。 どうする?と言われても、事態はわたしのどうにかできる範囲 の話ではない。 わたしが取れる行動は、そこで言われた通りに頑張るか、辞め るかのどちらかである。 「とりあえずは、頑張るしかないでしょ」 無理やり笑顔を作ってみせる。 「あ、そう」 気のない返事だ。自分から質問しておいて、それだけしか返っ てこなかったら、話が続かないじゃないか。 自分の部屋だというのに、とても息苦しくなっていた。 なんだって湯河原は、ここへやってきたのだろうか。 わざわざ、幸希のことや仕事の話をしに来たわけではないだろ う。一瞬、幸希のパシリかと思いもした。 でも、その考えはすぐに頭から消えた。 幸希は、自分で物事をはっきりしたいタイプだ。だから、人に 代弁してもらったり、様子を見てもらうなどという、まどろっ こしいことはしない。 そうすると、湯河原の用件は、若月さんのことしかない。 なかなか口を開かない彼に、わたしは切り出した。 「若月さんのこと?」 湯河原の顔が、急速に赤く染まっていった。 それは、分かり易すぎて、思わず吹き出してしまいそうになる ほどだった。 -第33話へ続く- |
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No 377
Date 2007・01・14・Sun
爆食*ホルモン*1月13日(土)
前日に突然決定した外食のため、ジムでひた走り、体重を 落としてから、夜ご飯に向かいました。 もつ家どんちゃん は、ホルモンメインの焼肉屋さんです。 6時過ぎに行ってみると、駐車場はほぼ満車状態 ![]() でも、座席は割りと空いていました。 わたし、ホルモン系大好き なんです。女の子って、たいがいホルモン苦手なんですけどね〜。 まずメニューを見て、食べたことのないものを選びました。 鶏のネック(奥)と豚ののどなんこつ(手前) ![]() 豚ののどなんこつは、からしをつけて食べるのがお勧めとの ことでしたが、つけなくても美味しいです♪ 続いて、豚のこめかみ ![]() なんこつのようなコリコリした食感がたまらないです。 よく噛んで噛んで味わう一品。 注文してから、七輪を持ってきてくれて、その場で焼きます。 んで、上からアルミのようなホースが出てきて、煙は全部 吸い取ってくれます ![]() ![]() 最後に、牛の小腸と豚の小袋をオーダー。 手前2つは小袋。その左にどーんとあるのが、小腸。 ![]() これが…小袋は、コリコリして美味しいし、小腸は脂肪たくさん で、めちゃめちゃ美味。 カルビとかも食べたんですけど、ベスト食材は小腸に決定。 合計8皿くらい食べて、おなかいっぱいです。 1皿500円前後でとってもリーズナブル。 わたしは体重upが心配だから、多少遠慮がちに食べて いたのですが、Tくんは、 「内臓系は、コレステロールが低いから気にしなくても大丈夫」 と…。 帰宅して体重を量ると、その通り、ぜんぜん増えてませんでした ![]() このお店、わたしたちが出るころには満席になってました。 人気店のようです♪ 店員さんも、ハキハキ、丁寧で良い印象。 また行きたいお店の一つです。 |
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No 373
Date 2007・01・13・Sat
ニック・バトル-第31話-主人公、柚木朝子、29歳。
ひょんなことから、キャリアウーマン一直線と思われていた 大鳥女史と仲良くなった朝子。 ライバル若月さんには、仕事を乗っ取られた上に、彼氏まで 奪われそうな気配。 女史とタッグを組んで、どっちも奪回できるのか? それとも…。 どうする、わたし? どうなる、わたし? 第31話 割と派手な音を立てて、女史は珈琲カップを置いた。 怒ったのだろうか。 少しだけ首をかしげて、彼女の顔をのぞきこんだ。 薄っすらと頬がピンクに染まっているように見える。 「いた。もう何年も前に諦めたけど」 声がかすれている。 わたしが女史を堅物だと思っていた間にも、彼女は誰かを好き になって、それは報われなくて、辛い思いをしたんだろう。 「頑張ったんだね」 思わず、横から女史に抱きついた。 同期の前では、一度だってそんな話をしたこともなかったし、 個人的に誰かと親しくしている様子もなかった。 会社以外の友達に、悩みを聞いてもらっていたと信じたい。 「告白しようかと思ったら、彼女ができちゃってね。彼女もい いヤツなんだ。諦めるのに1年はかかったけど、いまは自分だけ の過去の思い出」 どんな人を好きになったの? 訊くのはやめた。 もう彼女の中では清算されていることなのだ。 「ねぇ、いまは?いまはいい人いないの?」 女史の顔がますます赤みを増す。 顔をのぞきこむと、まるでハエを追い払うかのように、手を ハタハタとさせる。 「いるんだ。なんだかほっとした」 そう言うと、女史は怪訝そうな顔をする。 「何で、朝子がほっとするの?」 「だって……」 わたしは、いままで女史に対して抱いていた印象を語った。 「堅物で、勉強とか仕事にしか興味がなくて、人嫌いかと」 「ずいぶんはっきりと言うんだね」 女史が笑う。 「だって、皆と交わろうとしなかったし。女史だって、わたしの こと、あんまりいい印象なかったんじゃない?」 「人が嫌いなわけじゃないよ」 カップに残った珈琲を飲み干して、再び喋り始める。 「小さい頃から、父の仕事の都合で転校ばかりしていてね。友達 を作っても、すぐに離れなきゃならなかったんだ。そのうち、最 初から友達になるのを諦めるようになった」 大鳥女史の頬は、まだ赤いままだ。 「友達がいなければ、することもないよね。勉強に打ち込んだよ。 そしたら、人とどう接したらいいか分からなくなった。寂しいで しょ」 彼女は、本当に寂しそうに笑った。 「朝子のことは、最初は、一生懸命っていうより、何をするにも 必死って感じがして、かわいそうなヤツって思ってた」 今度は、わたしが珈琲を飲み干した。自分のことを言われること があまりないので、緊張して喉が渇く。 「だから、朝子が感じたように、もしかしたらバカなヤツって目 で見てたかもしれない。ゴメン」 これまでの彼女らしくない言葉が延々と続く。 好きな仕事を奪われた悲しみより深い悲しみを、大鳥女史に対し て抱き始めていた。 -第32話へ続く- |
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No 372
Date 2007・01・12・Fri
ニック・バトル-第30話-主人公、柚木朝子、29歳。
ひょんなことから、キャリアウーマン一直線と思われていた 大鳥女史と仲良くなった朝子。 ライバル若月さんには、仕事を乗っ取られた上に、彼氏まで 奪われそうな気配。 女史とタッグを組んで、どっちも奪回できるのか? それとも…。 どうする、わたし? どうなる、わたし? 第30話 高音でキラキラした音。 それが、幸希からのメールを伝える専用着信音だ。 その音が、10回鳴り響く。それ以外に、電源を落としていた時に あった着信を知らせるメールが来て、ようやく携帯電話はおとな しくなった。 「すごいね」 気配を感じて振り向くと、大鳥女史がソファの後ろに立っていた。 「全部、幸希?」 わたしは黙って頷く。 「心配なんだね。邪魔はしないよ」 そう言って、女史は、ソファから離れてベッドに腰掛けた。 メールは、昨夜から今朝にかけて、10件入っていた。 どれも、代わり映えしない内容。 「どうしたの?」 「どこにいるの?」 「何してるの?」 「大丈夫?」 どうせ後のメールも内容は同じだろう。メールを開封するのを やめた。 3件までしか受け付けない留守番電話サービスは、全て幸希から のメッセージで埋まっていた。 「本当に心配していると思う?」 退屈なのか、ベッドに横になってしまった大鳥女史に声をかける。 彼女は、頭だけ起こすと、 「当たり前でしょ」 と言った。 そうなのかな。 わたしには分からなかった。心配をするなら、まず心配させるよ うなことをしなければいいのに。 知らなければ済んだこと。でも、わたしはそれを知ってしまった。 それを知らなかったことにすることは、もう出来ない。 「若月さん、どうしたって、たかが1年くらい外国に住んだわたし たちより、何年も住んでいた幸希の方が、いろいろ話しやすいん だよ。ただそれだけだと思うよ」 女史が言うように、心配することはないのだろうか。 頭をよぎるのは、2人で楽しそうに歩いていた姿。 わたしとは、腕を組んで歩くなんて1度もなかったのに。 「とにかく、幸希にメール返信するのは、もうちょっと後にし なよ。もっと心配させてやればいい」 女史は、ソファまでやってきて、少し冷めた珈琲を飲む。 彼女が、恋愛のアドバイス? わたしたちの前では、仕事に没頭するキャリアウーマンを演じ ている。 先日、幸希と若月さんが一緒にいる現場を目撃した最悪な日。 若月さん撃退の策略を立てるためだけに、彼女を呼んだ。 そのときは、若月さんの文句ばかりで終わってしまい、何の生 産性もない時間を過ごしてしまった。 けれど、今のアドバイスといい、下着を持ち歩くところなどを 見ると、決して恋愛に疎いわけではなさそうだ。 わたしは、咄嗟に訊いていた。 「ねぇ、女史、好きな人いるんじゃない?」 -第31話へ続く- |
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No 371
Date 2007・01・11・Thu
ニック・バトル-第29話-主人公、柚木朝子、29歳。 「給料もそれなり、彼氏もいるし、なんの不服もない生活」 をかき乱すライバル若月さんの出現で、ため息増量中。 自分ではどうにもならない状況に、ハマッてます!! 別の生き方を探すか、ここで我慢するか…。 29歳で大きな選択を迫られている予感。 どうする、わたし? どうなる、わたし? 第29話 大鳥女史がシャワーを浴びている間、わたしは珈琲の豆を挽いた。 こんな風に、時間に余裕のある朝は、時間がかかっても美味しい ものを口にしたい。 冷凍していたベーグルを冷蔵庫から取り出し、レンジにかける。 「良い匂い」 ふわっとバラの香りが漂った。 大鳥女史がさっぱりとした顔で、浴室から出てきたのだ。 ガリガリの女史には、わたしの洋服は少し大きいようで、肩がすっ かり落ちている。 「ねぇ、下着は?コンビニに買いに行く?」 シャワーを浴びる前に、わたしは女史に聞いた。 いくら身体をきれいにしても、前日と同じ下着を履いていては意味 がないからだ。 ところが、女史は、大ぶりのバッグからこそこそと何かを取り出し、 そそくさと浴室へ逃げ込んだ。 「朝子、服だけ、何でもいいから、洗面室に置いておいて」 持っている服の中でも、1番細身で、わたしがそろそろ着るのに 限界がある服を置いた。 「わたし、持ってるんだ。いつも」 目の前で、小さな巾着袋をひらひらさせる。 掴もうとすると、女史は、それを手のひらの中に納めた。 「マイ下着。かわいいやつ」 「え……何のために」 カップに注いでいる珈琲をこぼしそうになる。 「だって、いつ、何があるか、分からないでしょ」 恥ずかしそうに笑う彼女が、初めて女に見えた瞬間だった。 「そういうのはねぇ、持ち歩くんじゃなくて、いつも身に付けて おくものなの。毎日が勝負なの!」 力むわたしに、彼女は大声で笑った。 勤め始めてから7年間。 遊びに行きたくて会社を休んだ日が一日だけあった。 仕事が忙しかった当時は、罪悪感でいっぱいだった。 今日は、そんな感情は1ミリたりとも湧き上がってこない。 会社に電話を入れたときも、課長はただ一言、 「分かった」 と言っただけだった。 昨日会社を出てから電源を切ってしまった携帯電話。 何よりも、幸希との接触を恐れてのことだった。 大鳥女史が朝食の片付けをしてくれている間、わたしは2杯目の 珈琲を飲みながら、携帯電話の真っ黒い画面を眺めていた。 電源をつける。電源オフ時に溜まっていたメール |


















なんです。



