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No 52
Date 2006・02・27・Mon
第三十四話「今日は二人でどこかへ行くんですか?おしゃれなレストランとか」
なぜか気持ち悪いほど笑顔のマンキチ。 わたしが黙っていると、夏樹ちゃんは平然と、 「合コン」 と、ひとこと言い放った。マンキチの顔がみるみるうちに曇っていく。雲ひとつない青空に、どこからか急に雨雲がわいてきたような感じだ。泣きやしないかと心配になった。けれど、意外にも曇った顔は一瞬で、その後は笑顔になって、 「ボクも行ってもいいですか?」 と言ったのだ。 「良いわけないでしょ」 夏樹ちゃんが、手で追い払うような仕草を見せる。マンキチは、いつも何も考えずに言葉を発する。わたしと夏樹ちゃんが参加する合コンに、マンキチが来て良いはずがない。まぁ、それは言い過ぎとしても、来ても意味がないことくらい分かるはずだ。女性が行くんだから、来るのは当然男性に決まっているのに。 「あっ、やっぱりくれば?」 数秒前の言葉を覆して、夏樹ちゃんがマンキチに声をかけた。 ちょうどそのとき、戸部くんと今井くんの外食組がオフィスに戻ってきた。 「ねぇ、今日の飲み会、マンキチさんが参加してもいいよね」 戸部くんに声をかける。一瞬だけ、戸部くんの顔がゆがんで見えた。まるでノックアウトを受けたボクシングの選手のように、口が曲がっていた。それでも、愛想がいいのはお手の物で、すぐに笑顔に戻って、 「もちろん、いいですよ」 と言った。わたしはというと、若者たちが何を考えているのか、さっぱり分からなくて、目をキョロキョロさせるばかりだ。自分の席に戻って、食後のコーヒーを飲みながら、パソコンから夏樹ちゃんにメールを送る。彼女は、通信販売のカタログショッピングに夢中で、パソコンを見る気配がない。 仕方なく、机と机の間のパーテーションを二回ほど足で蹴った。ようやく顔を上げた。わたしが、口ぱくで「メール」というと、やっとパソコンに触れたのだった。これ以降、わたしと夏樹ちゃんの間では、必ず机の間にあるパーテーション、いわゆる仕切りを二回足で蹴るというのが、私用メールを送ったという合図になったのだった。 |
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| 笑@会社 |
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